ゲーミフィケーションとは 企業研修への活用事例とメリット・課題を確認する

ゲーミフィケーションとは、ゲームの仕組みや手法を社会の色々な場面に活用する取り組みです。

学習というのは、基本的には「やりたくない」「言われてやる」という人が多いものです。

どうしたら社員にやる気を出してもらえる研修を用意できるか、楽しいだけでなく効果も高い研修とはどんなものか?―企業の教育担当の方にとって、これは常なる課題ではないでしょうか。

本稿では、「ゲーミフィケーション」の考え方や事例、特長をご紹介しながら、企業研修にどのように活かせるかを考察します。

退屈で、「やらされている感」の強い研修を、楽しく自発的に取り組めるものにするために、そして研修の効果を高めるために、「ゲーミフィケーション」のしくみは大きな助けになるでしょう。ぜひ参考にしてください。


1. ゲーミフィケーションとは

ゲーミフィケーションとは、「Gamify=ゲーム化する」という単語の名詞形で、ゲームの仕組みや手法を、ゲームとは関係のない分野に活用していこうという取り組みです。

ゲーミフィケーションは、以下の4つの要件で成り立っています。

① 何をするべきかが明確になっていること
「何のために」「どこを目指すのか」を明確にする必要があります。そして設定した課題や目標が適切なのかを考えることも重要です。

② 現状が可視化されること
自分が今、どこにいるのかが数値などで可視化されることで、クリアすべき課題や進むべき方向がわかります。

③ アクションに対する即時のフィードバック(他者との交流)があること
他者からの即時フィードバックによって自己効力感[1]を得ることができ、「やってみよう」「困難だけどチャレンジしてみよう」という動機づけになります。

④ 魅力的な報酬が与えられること
課題をクリアしたり目標を達成すると報酬を与えられるというしくみです。報酬が魅力的なものであればモチベーションの向上にもつながります。

ゲーミフィケーションを取り入れた研修では、課題、報酬、交流を循環させることが重要です。クリアすべき「課題」に合致した「報酬」を設定することでやる気が促され、称賛や競争といった「交流」により、社員のますますチャレンジする気持ちが高まります。「課題」「報酬」「交流」が循環していくと、新たな「課題」が見えてくるはずです。

[1] 人が何らかの課題に直面した際、こうすればうまくいくはずだという期待(結果期待)に対して、自分はそれが実行できるという期待(効力期待)や自信のこと。


2. ゲーミフィケーションが注目を集める理由

ゲーミフィケーションという言葉は2010年頃から使われるようになりましたが、考え方自体は以前からありました。この頃から改めて注目を集めるようになった理由としては、ユーザ側の環境が整ったことが挙げられます。

スマートフォンの普及でライフログが身近になり、日常生活のいろいろな要素をゲームに組み込みやすくなりました。インターネットの高速化でタイムリーに的確なフィードバックが得られるようになったこと、SNSの普及で個人間のフィードバックやデータ共有が容易になったことなども挙げられます。

また、この時期「Nike+」や「Foursquare」といった成功例が相次いだこともゲーミフィケーションの普及につながりました。


3. 成功事例

ゲーミフィケーションの先駆となった成功事例をいくつか取り上げてみましょう。

■Nike+
ランニングの記録を保存して、SNSでラン記録を共有できます。また、Nike+を使っている世界中のランナーと記録を比較して競争できるランキング機能や、各個人に合ったプランを提案してくれるパーソナルコーチング機能があるので、競い合ったり進捗を確認しながら、ランニングを習慣付けることができます。

■Foursquare
位置情報にSNSを組み合わせたサービスで、foursquareに登録されているvenueと呼ばれる場所を訪れてチェックインする(足跡を残す)とポイントが付与され、その回数に応じてバッジ(称号)がもらえます。チェックインの回数を競ったり、回数が増えるとvenueになっている店舗で特典が受けられたりします。

学習や研修にゲーミフィケーションを導入している事例もあります。

■iKnow!
英語学習アプリです。完了アイテムや学習時間の達成数に応じてアチーブメント・バッジという達成マークが付与され、学習者は獲得したバッジをSNSでシェアすることができます。SNSを通じて、友達と競ったり、楽しみながら取り組むことができるだけでなく、苦手な問題を攻略したいという気持ちを高める効果もあります。

■Hilton Garden Inn
Hilton Garden Innはヒルトン・ホテル社が展開するホテルチェーンです。ここでは、新入社員向けに接客や清掃といったホテルの基本的な作業を体験できるシミュレーションゲームを導入しています。顧客からの依頼にどのように対応するかでスコアが表示されていき、ゲームを通じて基本的な応対を学べる仕組みとなっています。ゲーム形式なので、日常あまり対応することがない状況を想定することもでき、またスコアがつけられることで競争意識や達成感を感じることができます。


4. ゲーミフィケーションを活用することのメリット

ゲーミフィケーションには以下のようなメリットがあります。

・自発的な学びを促進する
課題を達成して得られる報酬やフィードバックが、意欲をかきたて自発的な学びを促します。

・楽しみながら取り組める
ゲームをしている感覚でポイントや称賛を得たいと取り組んでいるうちに熱中してしまいます。

・レベルアップ・自己成長を実感できる
ゲームをクリアする達成感や称賛の獲得によって自己の成長を認知することができます。

・実践力が身に付く
ゲームを通じて擬似体験できることにより、実践力が身に付きます。

自立的に、しかも実践的な内容を身に付けることができるという点が、ゲーミフィケーションのメリットと言えるでしょう。


5. デメリット・課題

ゲーミフィケーションを導入する際には以下のようなことに注意するとよいでしょう。

・適切な課題の設定
ゲームには同じ難易度の課題が続くと飽きてしまうという側面があります。進度や熟練度に応じて難易度を高めるなど、飽きさせない工夫が必要です。

・魅力的な報酬であること
意欲やモチベーションを向上させられるような魅力的な報酬が与えられることが重要です。

・様々な交流の仕掛け
称賛や評価だけでなく、競争や自慢できる場も交流のかたちです。「勝ちたい」という感情や優越感をくすぐるような仕掛けも意欲につながります。

利用者の興味関心に合致し、それを継続させられる仕組みづくりが重要と言えます。


6. まとめ

ゲームの仕組みや手法を活用するゲーミフィケーションは企業研修においても、社員の自発的な意欲を促し、楽しみながら効率的に学べるといった効果があるでしょう。
メリットや課題は以下のようにまとめることができます。

メリット
・自発的な学びを促進する
・楽しみながら取り組める
・レベルアップ・自己成長を実感できる
・実践力が身に付く

課題
・適切な課題の設定
・魅力的な報酬であること
・様々な交流の仕掛け

SNSも活用しながら、ゲームのような遊びや楽しみという要素を取り入れることで、社員のやりたい気持ちを引き出し、楽しみながら課題を修得することが期待できます。
他の社員と競い、励ましながら学習できる、座学とは違った研修、それがゲーミフィケーションを取り入れた研修です。

これを機に、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

以下の様なお悩みを抱えてはいませんか?

e-ラーニングのイメージ画像■効率的な社員教育によって生産性を上げたい
■社員、従業員教育にもっと力をいれたい
■全社的なスキルの底上げ・均質化を実現したい

当メディアを運営する株式会社ライトワークスは、 大企業での豊富な実績を基に、

・堅牢で豊富な機能を持ち、統合的な学習管理を可能にするLMS

・さまざまなニーズに対応する多様な教材
・グローバル人材の育成プログラム

を提供しており、人材育成におけるあなたの課題を解決します。
まずはお気軽に無料でお問い合わせください。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう