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VUCAとは 時代を読み解く4つの要素 企業が取るべき対応は?

VUCAとは、ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、先の予測が困難な現在の社会を表した言葉です。

人やモノ、文化やサービスなど、さまざまな分野でグローバル化が進んだ現在、企業は国内だけでなく、世界を相手に戦わなければいけなくなりました。加えて、次々と新しい技術やサービスが登場し、市場のニーズの変化も速くなっています。このような環境では、大企業でも既存のビジネスモデルが通用せず、立ち行かなくなってしまいます。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されたシャープの件は誰もが知るところでしょう。また、テロや災害など、思いがけない出来事がビジネスに影響することもあります。
2016年に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)では、このような複雑で先行き不透明な世界の現状が「VUCAワールド」というキーワードで表され、盛んに使用されました。

本稿では、VUCAとは何か、VUCAの時代で生き残るために企業と従業員に求められる対応を紹介します。


1. VUCAとは

VUCAとは、ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、先の予測が困難な現在の社会を表した言葉です。

VUCAの4文字は、次の言葉の頭文字です。

Volatility(変動性)
近年はIT技術の進歩により、市場ニーズの変化が速くなっています。
わかりやすい例が、SNSの変遷です。2004年にサービスを開始したミクシィは、完全招待制のSNSサービスが人気を博し、圧倒的なシェアを誇りました。しかしその後、「Facebook」、「Twitter」、「LINE」など海外発のSNSサービスに押され、ユーザーは激減しました。
さらに最近では「Instagram」や「TikTok」など、新しいサービスが生まれ続けています。現在の社会では、成功したビジネスモデルが確立されても、状況が変動するサイクルが速く、すぐに陳腐化してしまう可能性があります。

Uncertainty(不確実性)
世界で起こる政治的な出来事や、突然の災害による影響がビジネスの障害になることがあります。
2016年にはイギリスのEU離脱が国民投票で可決され、アメリカでは大統領選挙でトランプ氏が当選しました。どちらも多くの人が「まさか」と思う結果となり、世界中の市場に影響を与えました。また、各方面に多大なダメージを与えた2011年の東日本大震災では、「想定外」というワードが頻繁に使用されていました。現在の社会は、常に「想定外」の出来事が突然起こる可能性があるのです。

Complexity(複雑性)
複数の国や地域、企業・部署が関わってビジネスが複雑になることで、スムーズな事業展開が難しくなる場合があります。
例えば、アメリカ発の配車アプリであるUberや民泊サービスのAirbnbは、画期的なサービスが評価され世界中で利用されています。しかし、日本では法整備が追いついておらず、ごく一部にしか普及していません。現在のグローバルなビジネス環境では、各国の法律や文化・習慣など、さまざまな要因が絡み合い、ビジネスを複雑化させています。

Ambiguity(曖昧性)
近年のビジネスは物事の因果関係が不明確であるため、手探りで進めていく必要があります。
わかりやすい例がベンチャーキャピタルです。ベンチャーキャピタルは、有望なスタートアップやベンチャー企業に投資して、その企業の価値が上がった後に株式を売却することでキャピタルゲインを得る事業です。投資先の企業が順調に成長し上場できれば万々歳ですが、さまざまな要因により思うように利益を出せず、失敗する可能性も含んでいます。

「VUCA」というワードには、現在の世界やビジネスの情勢が、予測不可能で混沌とした状況であることが表されています。

もともとは軍事用語でしたが、2010年代に入ってからはビジネスでも使用されるようになりました。2016年に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)では、世界の現状を表す言葉として「VUCAワールド」が盛んに使用されています。

かつての高度成長期では、製造業を中心として市場の需要が順調に伸びていたため、モノを作れば売れた時代でした。ところが現在は、グローバル化やインターネットの普及、IT技術の進歩により産業構造が複雑に変化、新しい技術やサービスが次々と登場し、市場のニーズが変わるスピードも速くなっています。このように将来の先行きが不透明な中でも、企業は今までにない新しい価値やサービスを生み出し、世界も含めた競合と戦っていかなければなりません。
では、VUCA時代で世界規模の競争に勝ち、企業を成長させ続けるには、どのような経営を意識し、どのような人材を採用・育成していけばよいのでしょうか。以下で見ていきましょう。


2. VUCA時代の企業と従業員に求められる対応

先行き不透明なVUCA時代に生き残るためには、以下のような企業と従業員の対応が求められます。

2-1. 企業に必要なこととは

企業には、以下のような対応が求められます。

① 明確なビジョンを持つ
VUCA時代では、先の予測が困難であることは既述のとおりです。しかし、企業としての将来の展望までもが曖昧でよいとは言えません。先の予測が困難だからこそ、明確なビジョンを持つことが重要になるのです。「自社が将来どうありたいのか」という芯がしっかりしていれば、社会の状況が変化したとしても、事業の優先順位をつけたり、経営方針を見直したりといった柔軟な対応が可能になります。経営陣がブレずにいれば、従業員も各自の仕事にビジョンを持ちやすくなります。

② スピード経営を意識する
変化が速く、いつ変動があるかがわからない現在の社会では、時間をかけて慎重に検討を重ねた決定事項でも、想定外の出来事によってひっくり返ってしまう可能性も大いにあります。そのため、まず行動に移し、失敗したら素早く軌道修正をはかるというような、スピード感を持ちながら、臨機応変に状況に対応することが非常に重要になります。また、日立製作所は、経営判断を支援するAIの基礎技術を開発しています。将来的には、このような技術を利用することで、意思決定にかける時間を短縮することもVUCA対策として有効でしょう。

③ ダイバーシティ&インクルージョン
次々と変化し、また、変化の方向が読みづらい市場ニーズに対応するには、さまざまな立場や価値観を持つ従業員から生み出されるアイディアや、新たな価値の創造が不可欠です。働き方改革でも女性や外国人の活躍が推進されており、ダイバーシティ&インクルージョンを掲げる企業も多いでしょう。従業員の多様性と強みを活かすことが認められる環境も、VUCA時代で企業が生き残るポイントとなります。

④ 複数の事業を持っておく
変化が速く先の予測が困難な社会では、成功したビジネスモデルでも、次々と新しいサービスが登場し、短期間で陳腐化してしまう可能性があります。そのため、1つの事業に依存することは避けた方がよいでしょう。複数の事業を持つことがリスクヘッジになり、状況が変化しても、注力する事業を変更するなどの対応が可能になります。

⑤ 市場でいち早く主導権を握る
どのようなビジネスモデルが成功するのか、正解がないVUCA時代では、どの企業も主導権を握れる可能性があると言えます。業界の垣根が低くなっている現代では、異業種参入によって成功するチャンスもあります。

VUCA時代に企業が生き残るには、さまざまな状況に対応できる準備をしながら、素早く意思決定していくことが重要と言えます。しかし、経営陣がVUCA対策を講じるだけでは不十分です。このような環境においては、以下のような対応ができる従業員を採用・育成することが不可欠なのです。

参考)
日本経済新聞 「モノ言うAI、日立が基礎技術 意思決定を支援」2016/6/2
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ02HDO_S6A600C1000000/

2-2. 従業員に必要なこととは

従業員には、以下のような対応が求められます。

① 明確なビジョンを持つ
既述のとおり、企業が将来像を明確にすることは大切ですが、それは従業員にとっても同様です。自身が将来どうありたいかを明確にしておけば、状況が変わっても、想定外の出来事が起こっても、それを実現することを基準として行動を選び取ることができます。業務に対しても、目標に向かって主体的に取り組めるようになるでしょう。

② スピード感を持って行動する
VUCA時代では、物事を慎重に検討している間に状況がどんどん変化していきます。そのため、良いアイデアがあれば失敗を恐れず、まず行動。その後の状況に合わせてそのまま進める・軌道修正・撤退など次の行動を考えれば良いのです。従業員一人ひとりにこのような意識を根付かせることにより、企業としてもスムーズにスピード経営が実現できるでしょう。

③ 多様な人材をまとめるリーダーシップ
ダイバーシティ&インクルージョンが推進されている現在、ひとつの企業内にさまざまなバックグラウンドや価値観を持った従業員が存在しています。VUCA時代では、その多様な価値観から生み出される新たなイノベーションに期待が高まっています。多様な価値観を持つ人材をまとめ、強みを活かせるよう導くリーダーシップもこれからは重要になってきます。

④ 常に情報収集・学習する
最新のニュースをチェックしたり、さまざまな人と情報交換したりして常に社会の動向にアンテナを張り、新しい学びを得るようにしましょう。自身の「引き出し」が多いほど行動の選択肢が増え、不測の出来事や急な変化に対応していくことができます。

⑤ 変化を恐れずチャレンジする
VUCA時代では、今までのマーケティングや営業の手法が通用するとは限りません。従来のパターンや習慣にとらわれず、新しい方法にチャレンジしていくことが大切です。
変化することをネガティブにとらえず、変化の中に新しいチャンスや楽しみがあると考えていきましょう。

VUCA時代には、ブレない芯と柔軟な考えを持ち、主体的に行動できる人材を採用・育成していく必要があると言えます。
VUCAに強い人材を確保することで、企業の競争力を高めていけるのです。


3. まとめ

VUCAとは、ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、先の予測が困難な現在の社会を表した言葉です。

以下の4つの要素の頭文字を取って作られました。
Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)

「VUCA」というワードには、現在の世界やビジネスの情勢が、さまざまな要因により予測不可能で混沌とした状況であることが表されています。
もともとは軍事用語でしたが、2010年代に入ってからはビジネスでも使用されるようになりました。

先行き不透明なVUCA時代に生き残るためには、以下のような企業や従業員の対応が求められます。

●企業側
① 明確なビジョンを持つ
② スピード経営を意識する
③ ダイバーシティ&インクルージョン
④ 複数の事業を持っておく
⑤ 市場でいち早く主導権を握る

●従業員側
① 明確なビジョンを持つ
② スピード感を持って行動する
③ 多様な人材をまとめるリーダーシップ
④ 常に情報収集・学習する
⑤ 変化を恐れずチャレンジする

世界中の国と企業が、VUCA時代を生き残るべく対策を講じています。企業としても従業員としても、時代の流れに取り残されないよう意識し、行動することが大切です。
この機会に、VUCA時代における自社の経営と人材育成について検討してみてはいかがでしょうか。

参考)
日本経済新聞 「「VUCA」時代、リーダーに重要な4つの言葉」2017/1/11
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO11343490V00C17A1X12000/
日本経済新聞 「モノ言うAI、日立が基礎技術 意思決定を支援」2016/6/2
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ02HDO_S6A600C1000000/

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