タイムマネジメント研修を通じて組織の生産性を向上させる方法

「タイムマネジメントはすべてのビジネスパーソンに必要な基本スキルだ」

このことに異論のある方はいらっしゃらないと思います。タイムマネジメントは新入社員研修の常連科目ですし、配属後、実際の業務でできることが増えるにつれ、その必要性を実感するものでしょう。

しかし、新入社員はさておき、組織全体を見渡したとき、あなたの会社の従業員は本当にタイムマネジメントができている、といえるでしょうか?新人時代に教育を受けても、業務に追われる中で形骸化してしまい、忘れ去られてはいないでしょうか。

いま一度、新入社員研修の一科目としてだけでなく、全ての従業員に必要なスキルとして、タイムマネジメントというものを見直してみませんか。

本稿では、タイムマネジメントとは何かというところから、これからの時代に必要な理由、学習の仕方などについて丁寧に解説します。


1. タイムマネジメントとは何か

タイムマネジメントとは、直訳すると「時間管理」ですが、時間を管理するとは一体どのような意味なのでしょう?

時間というのは扱いにくいものです。量に関していえば、あなたもあなたの会社の従業員も、1日に24時間、実働時間でいうと8時間持っていますが、何をしていても誰にでも平等に時間は流れていきます。

しかし、時間の「質」は向上させることができます。例えば、短くても大変充実した時間を過ごしたという体験はどなたにでもあると思います。それは、内容の濃い、質の良い時間ではなかったでしょうか。スポーツなどの趣味の時間、仲間との語らいの時間、エッセンスの詰まった学びの時間など。仕事も例外ではありません。

そのためには、まず、集中できる環境を作ることが大切です。この場合、環境とは、音・光・匂い・温度・湿度など物理的なものや、周りにいる従業員のスマイルや上司からのプレッシャーなどの人的なもの、他社からのメール、客先からの催促など社会的なもののすべてを指します。

また、仕事や行動を組み合わせたり手戻りを減らしたりすることでも、有効な時間は増やすことができます。ただし、一定時間の中に仕事や行動をぎゅうぎゅうと詰め込めばよいというわけではありません。

そして、これらのことを実現するために、「タイムマネジメント」のスキルを身に付けておくことが大切です。

個人の時間管理のしかたを改善することは、組織としての生産性向上につながります。時間は有限です。タイムマネジメントは、個人と企業が、自分に与えられた、限られた時間を最大限に活用する方法を追求するものであるといえるでしょう。


2. タイムマネジメントを身に付ける目的

タイムマネジメントという単語の概念や考え方についてご説明しました。ここでは、仕事をするうえでなぜタイムマネジメントが重要なのか、また、タイムマネジメントを学ぶことにどんなメリットがあるのか、いま少し詳しくみていきましょう。

2-1. 長時間労働是正のために

2017年9月、厚生労働大臣は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について労働政策審議会に対し諮問を行いました。

具体的な内容としては、働き過ぎ防止のための法制度の整備、時間外労働の上限規制、勤務間インターバル、長時間労働に対する健康確保措置などが建議されています[1]

(働き方改革の全体像については別記事「働き方改革とは 始動の背景と企業が取り組むべき内容を丁寧に解説」をご参照ください。)

企業は、生産性向上を目指しつつ従業員のワークライフバランスについて考える岐路に立たされています。あなたも「残業時間を減らさなくてはならない、けれど仕事が終わらない」という声をよく耳にしませんか?この難題を解決するために、多くの企業が制度改革や職場環境の改善に取り組んでいます。同時に、個人のパフォーマンスを上げる努力も必須です。このとき、個人が自分自身の仕事と生活のバランスをとるためのカギとなるのが、時間の質を向上させるタイムマネジメントの考え方なのです。

2-2. 個人と組織のパフォーマンス向上のために

パフォーマンスの向上は、長時間労働を是正するための手段であると同時に、人材不足が進んでいくこれからの時代を生き抜く企業にとって大変重要な課題です。

ここでタイムマネジメントを追求・実践することのメリットを確認してみましょう。個人にとっても組織にとっても、これらの要素がパフォーマンス向上に直結するものだということがお分かりいただけると思います。

■個人にとってのメリット
・オンとオフの切り替えがうまくなる
・残業時間を減らすことができる
・時間に追われているというストレスが減る

「残業を減らす」というある意味物理的な効果とともに、心的ストレスが減るという効果があることが分かります。

■組織にとってのメリット
・従業員パフォーマンスをボトムアップすることができる
・組織全体の生産性を上げることできる
・業務の標準化を進めることができる

なお、3点目は副次的な効果とも言えますが、個々の従業員がより良いタイムマネジメントを実現するためには、業務を効率化する必要がありますので、これまで人によってやり方がバラバラだった業務のやり方を改めて統一し、マニュアルを作成する、ツールを導入するといった工夫が求められるでしょう。これは、個人のタイムマネジメントのみならず、組織としての業務の質を高めることにつながります。

個々の従業員のタイムマネジメントスキルを向上させることが、企業の生産性につながることが分かります。

このように、タイムマネジメントは個人にとっても組織にとっても、ますます重要な意味を持つようになってきているのです。

[1] 厚生労働省「『働き方改革』の実現に向けて」< http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html>


3. タイムマネジメント実践の先にあるもの

前述の通り、タイムマネジメントは個人と組織のパフォーマンス向上に役立ちます。しかし、タイムマネジメントを身に付け、習慣化することは、長い目で見るとより大きな福音を日本社会にもたらします。

元来、日本人は諸外国人と比較してワークライフバランスを取るのが下手だと言われています。それは、仕事と人生が不可分のものだと考える傾向にあるためです。つまり、仕事でやりがい・生きがいを感じることが人生の幸せにつながると考えているビジネスパーソンが多いということです。

タイムマネジメントがもたらすパフォーマンス向上や充実感は、個人のやりがいに寄与するでしょう。一方で、企業は個人がより良いタイムマネジメントを実現できるよう、必要な教育・指導を行うこと、また、それを阻む要因を探して解消する必要があります。なぜタイムマネジメントができていないのか、業務状況や従業員の意識調査を行うことも有効でしょう。

その上で、業務の標準化を行ったり、個人の能力や意向、キャリアを考慮した仕事の割り振りを行う、互いに協力しやすいコミュニケーション環境を提供するといった施策を行うことが考えられます。

仕事でやりがい・生きがいを感じると、従業員はより充実したワーキングライフを送ることができます。1日のうち8時間という長い時間を過ごす会社は、単に報酬をもらうための「拘束の場」や「労役の場」ではなく、自ら考えて戦略的に行動し、成果を挙げて褒賞を得るための「活動の場」「挑戦の場」となるでしょう。

これは、エンゲージメントにつながっていきます。

このように、タイムマネジメントの習慣化は、個人のワークライフバランスの追求やキャリア指導のあり方に影響を及ぼし、モチベーションやエンゲージメントにもつながっていく要素を持っているのです。タイムマネジメントは、個人の業務の効率化を通じて、組織の最適化に貢献する力を持っていると言えるでしょう。


4. タイムマネジメントを身に付ける方法

それでは、タイムマネジメントを学習するにはどのような方法があるかを見てみましょう。

4-1. 集合研修

まず挙げられるのは集合研修です。

タイムマネジメントの集合研修はたくさんの会社が提供していますが、大体の流れは共通しているようです。例えば以下のようなものが典型例と言えるでしょう。

まず、これまでのタイムマネジメントを振り返り、自己分析するところから始まります。

次に、仕事を種類によって分け、同じ種類の仕事をまとめて処理します。こなす仕事には資料の整理や請求書作成など、考える仕事には企画立案などが挙げられるでしょう。拘束されてしまう時間とは会議や商談など、少しなら自由に使える時間とは出張や外出の移動時間などのことを指します。

そして、タイムマネジメントの実践方法を学びます。PDCAサイクルを用いて仕事を行うこと、優先順位をどのようにしてつけるかという重要な課題に取り組みます。同時に、「処理できる仕事の量」と「処理すべき仕事の量」をコントロールする方法を学びます。

続いて実践においてよくある問題点を取り上げます。仕事を断る方法や、中断や妨害への対策、他者に依頼するという選択肢などをあらかじめ把握しておけば、実務における戸惑いを減らすことができます。

このような実践課題に取り組むには、対人スキルや日頃の情報共有の仕方などが重要になってきますので、コミュニケーションや情報共有の工夫などについても学びます。

そして最後に実際の計画を立ててみることによって、学びの定着と実践へのイメージ作りを行います。

4-2. eラーニング

eラーニングは、パソコンやタブレット・スマートフォンなどのガジェットを用いて、学習教材に接続し、学習する方法です。

実は、上掲の集合研修の内容は、ほぼそのままeラーニングで学ぶことができます。

以下は実際に運用されているタイムマネジメントのeラーニングの目次情報ですが、学習内容としては遜色ないことがお分かりいただけるかと思います。

eラーニングではグループワークや成果発表といったことはできませんが、タイムマネジメントのように、基礎知識を学び、個人で実践していくテーマにおいてはむしろ効率の良い面があります。

最近はeラーニング自体も知識偏重にならぬよう、実践性を考慮した作りになっているので、例えば具体的なケースを提示したり、TODOリストの作成方法を紹介したりもしています。ゲーム的な要素を楽しみながら学習することもできるでしょう。

参考)eラーニング「タイムマネジメント」の画面イメージ

また、最後に確認のためのテストを実施できること、いったん学習を終えた後も何度でも再受講ができる点も、eラーニングのメリットと言えるでしょう。新入社員だけでなく、振り返りを行いたい全ての従業員の方に、任意の時間に任意の項目だけを閲覧いただけます。

eラーニングでできるものはeラーニングで、ワークや実践トレーニングが必要なものは集合研修で、と考えると、タイムマネジメントについてはeラーニングで充分学習可能といえそうです。「学んだ内容を業務の中で実践し、自分なりに工夫していく」という学習後に必要なステップも、集合研修と同じです。

eラーニングと集合研修については別記事「集合研修からeラーニングへのスイッチ ポイントは再設計と動画活用」をご参照ください。)


5. まとめ

いかがでしたでしょうか。
タイムマネジメントの定義・目的、いま注目されている背景、タイムマネジメントのねらいとするところを説明し、個人レベルでのタイムマネジメント・組織レベルでのタイムマネジメントのメリットを述べてきました。

タイムマネジメントは、働き方改革やワークライフバランスとも大きな関わりがあり、人生や社会を豊かにするものであると言っても過言ではありません。

また、タイムマネジメントの習得が、モチベーションやエンゲージメントの向上に強く結びついていることも見えてきました。タイムマネジメントは、企業の生産性を握る一つのカギと言えます。

タイムマネジメントの学習方法としては、集合研修とeラーニング研修をご紹介しました。効率性を重視するならば、タイムマネジメントのように、基礎知識を学び、個人で実践していくテーマについてはeラーニング研修のほうが向いていると言えるでしょう。

新入社員だけでなく、全てのビジネスパーソンにとってますます重要性を増しているタイムマネジメント。これを機に、あなたの会社でもタイムマネジメントを見直し、実践を強化してみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

以下の様なお悩みを抱えてはいませんか?

e-ラーニングのイメージ画像■効率的な社員教育によって生産性を上げたい
■社員、従業員教育にもっと力をいれたい
■全社的なスキルの底上げ・均質化を実現したい

当メディアを運営する株式会社ライトワークスは、 大企業での豊富な実績を基に、

・堅牢で豊富な機能を持ち、統合的な学習管理を可能にするLMS

・さまざまなニーズに対応する多様な教材
・グローバル人材の育成プログラム

を提供しており、人材育成におけるあなたの課題を解決します。
まずはお気軽に無料でお問い合わせください。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう