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リベラルアーツとは 企業が人材教育に取り入れる意味と必要性を解説

リベラルアーツとは、「人間としての教養」の土台を築くための学びです。
グローバル人材やリーダーを育成する上で、リベラルアーツを学ぶことが重要であるという認識の高まりから、人材教育に取り入れる企業が増えています。
ビジネスに直結する専門的な知識よりも教養を養うことがグローバル人材やリーダーの育成に貢献するとは、どういうことなのでしょうか。

本稿では、リベラルアーツについて、なぜ今リベラルアーツが注目されているのか、その理由や学習効果をご紹介します。


1. リベラルアーツとは

リベラルアーツとは、人間力を養う基礎的な学問を指します。

それは、専門分野だけを究めるのではなく、幅広く深い知識を身につけることで、自身の「引き出し」を増やし、人生を豊かにすること。そのような奥行きのある人物になるための学びと言えるでしょう

リベラルアーツの起源は、古代ギリシャにおいて「その時代を自由人として生きるための学問」とされた自由七科(文法、論理、修辞、算術、幾何、天文、音楽)です。中世ヨーロッパの大学の基本科目となり、近代以降アメリカに伝わりました。
アメリカには、リベラルアーツ教育に特化した「リベラルアーツ・カレッジ」と呼ばれる4年制大学があります。生徒数が数千人程度の小規模規模校がほとんどで、その卒業生数はアメリカ全体の大学卒業生数の3%に留まります。が、全米企業のCEOに占めるリベラルアーツ・カレッジ卒業生は8%に上ると言われています。

一方、日本ではリベラルアーツ・カレッジとしては国際基督教大学が知られています。しかし、一般的には大学受験時に専攻を選ぶため、1、2年次の「一般教養課程」でリベラルアーツに触れるとしても、その中で自身が何を学びたいかを考え、それを深めるために専攻に進むという仕組みにはなっていません。
ただ、2016年に東工大がリベラルアーツ研究教育院を設立、他にもリベラルアーツを取り入れる大学が生まれるなど大学教育においてもリベラルアーツの重要性が認識されてきているとは言えるでしょう。


2. リベラルアーツが注目される理由

リベラルアーツを人材教育に取り入れる企業が増えていますが、それはなぜなのでしょうか。
以下は、その主な理由です。

・事業のグローバル化
海外での事業展開を考える際、現地の宗教や文化、そして価値観を理解することが事業を円滑に進める上で非常に重要です。
異文化や異国に暮らす人々、その歴史などを理解し、尊重できるかは自分自身の人間力に拠るところが大きいものです。リベラルアーツで歴史や哲学、芸術など幅広い教養を身につけ、人間力を高めます。

・専門分野を超えた発想の必要性
例えば、イノベーションを生み出すには、柔軟な発想力や創造力が必要です。また、それを実現するには自身のアイディアを表現・説明したり、説得したりするための論理的思考力も求められます。
リベラルアーツではこうした力を培います。また、学びの中で得た、さまざまな分野の知識を組み合わせることで、発想の幅を広げることが期待できます。

・社会・事業構造の変化
少子高齢化や労働人口の減少などの社会構造や、AIのような新しいテクノロジーの登場による事業構造の変化に伴い、ビジネスを取り巻く環境も速い速度で変化しています。このような状況下では前例にとらわれず、多面的、大局的に物事を捉えられる思考力や決断力を備えているリーダーが必要になってきます。また、リーダーとして厳しい判断を迫られる場面もあるでしょう。そのようなときこそ、リベラルアーツで養った人間力が真価を発揮します。

2014年にリクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所は「経営職・管理職のリベラルアーツ実態調査」として、経営職、管理職にとってリベラルアーツが有効か調査を実施しました。対象者は、リベラルアーツについて聞いたことがあるという部長以上の経営職・管理職(従業員500名以上の企業に所属、最終学歴大卒以上)です。
その結果、「経営職、管理職で成果をあげる上でリベラルアーツは必要か」という問いについて「必ず必要だと思う」(14.5%)、 「必要だと思う」(35.1%)、「どちらかといえば必要だと思う」(32.8%)と、全体の8割強が必要との回答を得ています。

参考)リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所 主任研究員 藤村直子 「リベラルアーツは実践現場で役に立っているのか」
https://www.recruit-ms.co.jp/research/journal/pdf/j201408/m36_research.pdf

語学の習得や海外での勤務経験はグローバル人材の重要な要素の一つでしょう。また専門分野に精通することはその分野でリーダーとして他の人材を導いていくには必要なことです。しかし、それだけでは十分ではないことは、前述の調査結果が示す通りでしょう。

幅広く深い知見を持ち、大局的に物事を捉え、解決に導けるような論理的思考力や柔軟な発想力、豊かな教養で培った人柄=人間力がビジネスシーンにおいては重要なのです。


3. リベラルアーツの学習効果

さまざまな教養や知識を一定期間学ぶことで、論理的思考力や発想の柔軟性を習得することができるようになるでしょう。しかし、リベラルアーツは、学習することですぐに人間力の向上が期待できるような即効性の高いものではありません。さらに言えば、リベラルアーツの性質上、その学習効果を目に見える形で測定することは困難と言えます。

リベラルアーツを学ぶ最大の効果は、学びの中でのさまざまな気づきを通して自身の価値観や信念を問い直す契機となる点にあります。物事に対する多様な視点を獲得することで、今までの自身のビジネス観を見直し、自分たちの事業が現地のコミュニティや文化にどのような影響や効果を及ぼすのかが考えられるようになるのです。


4. まとめ

リベラルアーツとは、人間としての教養の土台を築くための学びです。

幅広く深い知識を身につけることで人生を豊かにし、また、それらに裏打ちされた奥行きのある人間になるための学問と言えます。
このリベラルアーツを、グローバル人材やリーダーを育成するための教育に取り入れる企業が増えています。
それは次のような理由からです。

・事業のグローバル化
・専門分野を超えた発想の必要性
・社会・事業構造の変化

幅広く深い知見を持ち、大局的に物事を捉られるような論理的思考力や発想力を備えた人材を育成していくことが、企業が厳しいビジネス環境の中で生き残っていくために必要なのです。

リベラルアーツの学習効果は即効性のあるものでも可視化できるものでもありません。しかし、事業を成功させ、また組織力を向上させるのは、詰まるところ人間力です。長期的な視野で人材育成を考えたとき、リベラルアーツを学ぶことは遠回りのようで実は近道なのではないでしょうか。

参考)
グロービス 「経営者教育において必要性の高まっている「リベラルアーツ」の効用とは」
https://gce.globis.co.jp/column/viewpoint/liberal-arts-education.html
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院長 教授 上田紀行 「リベラルアーツについて知る」
http://frompage.jp/ynp/liveralarts/
サイバーユニバーシティ株式会社BLOG 川嶋美紀子 「グローバル人材に必要なのは「教養」~米国のビジネスシーンでリベラルアーツが重視されるわけ」
http://biz.cyber-u.ac.jp/blog/1827/

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