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「くるみん・プラチナくるみん」とは 子育てサポート認定企業の証

「くるみん」「プラチナくるみん」とは、仕事と育児の両立支援について一定の基準を満たした企業が厚生労働大臣から「子育てサポート企業」の認定を受けられる制度です。

結婚や出産、子育てを理由に離職する女性は少なくありません。また、日本は出生率の減少という問題も抱えています。少子化と離職による生産年齢人口の減少は企業にとっても社会にとっても大きな痛手です。

こうした状況を踏まえ、政府は「次世代育成支援対策推進法(次世代法)」を制定しました。仕事と育児の両立を支援するための対策を講じることを国や自治体、企業に求めるもので、その中で創設されたのが「くるみん」「プラチナくるみん」認定制度です。

本稿では「くるみん」「プラチナくるみん」について認定基準や認定の効果をご紹介します。


1. 「くるみん」「プラチナくるみん」とは

「くるみん」「プラチナくるみん」とは 、次世代育成支援対策推進法に基づいて、一般事業主行動計画を策定した企業が、計画に定めた目標を達成し、さらに一定の基準を満たした場合、申請を行うことにより「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定(「くるみん認定」)を受けられる制度です。

「くるみん認定」を受ける企業は年々増加し、2018年3月時点で2,878社が認定されています。2017年からは継続的な取り組みを促進するため、「プラチナくるみん認定」がスタートしました。これは、「くるみん認定」を受けた企業がより高い基準を満たし、申請を行うと「優良な子育てサポート企業」として厚生労働大臣の特例認定(「プラチナくるみん認定」)を受けることができる制度です。「プラチナくるみん」については、初年度の2018年3月時点で195社が認定を受けました。

1₋1. 「くるみんマーク」「プラチナくるみんマーク」とは

「子育てサポート企業」として認定を受けた証が、「くるみんマーク」、「プラチナくるみんマーク」です。

出典)厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/

おくるみに包まれた赤ちゃんがモチーフで、「子育てサポートしています」の文言がついています。「くるみんマーク」には上部に最新の認定年が記載され、☆の数は認定を受けた回数を表しています。

1₋2. 次世代育成支援対策推進法とは

次世代育成支援対策推進法とは、急激な少子化の進行に対応して、次代の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ、育成されることを支援するため、国や地方公共団地、企業に行動計画の策定を義務づけるものです。

第2条、第5条には、以下のように規定されています。

第2条(定義)
この法律において「次世代育成支援対策」とは、次代の社会 を担う子どもを育成し、又は育成しようとする家庭に対する支援その他の次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される環境の整備のための国若しくは地方公共団体が講ずる施策又は 事業主が行う雇用環境の整備その他の取組をいう。

第5条(事業主の責務
事業主は、基本理念にのっとり、その雇用する労働者に係る多様な労働条件の整備その他の労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備を行うことにより自ら次世代育成支援対策を実施するよう努めるとともに、国又は地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならない。

2003年4月施行され(行動計画の策定については2005年4月1日から施行)、当初は2015年3月31日までの時限立法でしたが、2014年の法改正によって有効期限が10年間延長され、2025年3月31日までになりました。

この次世代育成支援対策推進法において、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、労働者の仕事と子育てに関する「一般事業主行動計画」を策定し、その旨を都道府県労働局に届け出ることが義務とされています(100人以下の企業は努力義務)。

行動計画の策定から実施までの流れは以下の通りです。
①自社の現状や労働者のニーズの把握
 ↓ 
②行動計画を策定
労働者の仕事と育児の両立を支援するための雇用環境の整備や、育児をしていない労働者も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むにあたり、次の内容を定めます。
・計画期間
・目標
・目標を達成するための対策の内容と実施時期
 ↓ 
③行動計画を公表し、労働者に周知(行動計画の策定から3カ月以内)
 ↓ 
④行動計画を策定した旨を都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ届け出(行動計画の策定から3カ月以内)
 ↓
⑤実施

行動計画に定めた目標を達成することが「くるみん認定」の要件の一つです。


2. 「くるみん」「プラチナくるみん」の認定を受けるには

では、どうすれば「くるみん」「プラチナくるみん」認定を受けられるのでしょうか。それぞれ認定を受けるには「一般事業主行動計画」を実施し、一定の基準を満たす必要があります。一つひとつ見ていきましょう。

2-1. 「くるみん」に認定されるには

 「くるみん」の認定基準は以下の表に掲げた10項目です。これらをすべて満たした後、都道府県労働局・均等部(室)に必要書類を揃えて「くるみん認定」の申請をします。 

くるみん認定(要点)

認定基準1

雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと。

認定基準2

 

行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。

 

認定基準3

 

策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。

 

認定基準4

 

策定・変更した行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていること。

認定基準5

 

次の(1)または(2)のいずれかを満たしていること

1)計画期間において、男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が7%以上である こと。

2)計画期間において、男性労働者のうち、育児休業等を取得した者および企業独自の育児 を目的とした休暇制度を利用した者の割合が、合わせて15%以上であり、かつ、育児 休業等を取得した者が1人以上いること。

認定基準6

 

計画期間において、女性労働者の育児休業等取得率が、75%以上であること。

認定基準7

 

3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者について、「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置または始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じていること。

認定基準8

 

次の(1)(2)のいずれも満たしていること

1)フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満で あること。

2)月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと。

認定基準9

次の①~③のいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していること。

①所定外労働の削減のための措置

②年次有給休暇の取得の促進のための措置

③短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置

認定基準10

法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。

参考)厚生労働省・都道府県労働局「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定 プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000204294.pdf

「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣(都道府県労働局長へ委任)から認定をうけると、「くるみんマーク」が付与されます。

2-2. 「プラチナくるみん」の認定を受けるには

「くるみん」認定を受けた企業が、さらに高い水準の基準を満たすと「プラチナくるみん認定」の申請ができます。

認定基準1~4、6~8、12は「くるみん」と共通、5、9、10、11が「プラチナくるみん」独自の基準です。 

プラチナくるみん認定(要点)

特例認定基準14

 

くるみん認定基準14と同じ

 

特例認定基準5

 

次の(1)または(2)のいずれかを満たしていること

1)計画期間において、男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が13%以上であること。

2)計画期間において、男性労働者のうち、育児休業等を取得した者および企業独自の育児 を目的とした休暇制度を利用した者の割合が、合わせて30%以上であり、かつ、育児休業等を取得した者が1人以上いること。

 

特例認定基準68

 

くるみん認定基準68と同じ

 

特例認定基準9

 

次の①~③のすべての措置を実施しており、かつ、①または②のうち、少なくともいずれか 一方について、定量的な目標(※)を定めて実施し、その目標を達成したこと。

①所定外労働の削減のための措置

②年次有給休暇の取得の促進のための措置

③短時間正社員制度、在宅勤務、テレワーク等多様な労働条件の整備のための措置

(※)定量的な目標とは、成果にかかる数値目標をいう。

(例)・年平均所定外労働時間を〇%削減する

 ・年次有給休暇取得率を〇%以上とする

特例認定基準10

 

次の(1)または(2)のいずれかを満たしていること

1)子を出産した女性労働者のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職(育児休業中を含む)している者の割合が90%以上であること。

2)子を出産した女性労働者および子を出産する予定であったが退職した女性労働者の合計数のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職している者(子の1歳誕生日に育児休業等または企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用している者を含む)の割合が55%以上であること。

特例認定基準11

 

育児休業等をし、または育児を行う女性労働者が就業を継続し、活躍できるような能力の向上 またはキャリア形成の支援のための取組にかかる計画を策定し、実施していること。

特例認定基準12

くるみん認定基準10と同じ

 

参考)厚生労働省・都道府県労働局「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定 プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000204294.pdf

優良な「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣(都道府県労働局長へ委任)から特例認定をうけると、「プラチナくるみんマーク」が付与されます。


3. 「くるみん」認定制度創設の背景

「くるみん」認定制度が創設された背景には急激な少子化の進行という社会環境の変化があります。

まず出生数の推移を見てみましょう。

出典)厚生労働省 「平成30年度我が国の人口動態」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf

出生数は2011年以降減少、2015年に増加したものの、2016年は再び減少に転じ98万人と100万人を割り込んでいます。合計特殊出生率 は緩やかな上昇傾向にありましたが、2016年は前年の1.45%を下回る1.44%となりました。人口置き換え水準 の2.07%と比較しても低い水準です。

このような状況を鑑み、次世代育成支援対策推進法が制定され、国や自治体、企業には仕事と育児の両立を支援するための行動計画が義務づけられました。
同時に、行動計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業には、積極的に子育て支援を行っている企業であると対外的にアピールできる「くるみん」認定制度を設けたのです。


4. 認定の効果

「くるみん」「プラチナくるみん」の認定を受けるとどのような効果があるのでしょうか。

・企業のイメージ向上
「くるみん」「プラチナくるみん」認定を受けると、「くるみんマーク」「プラチナくるみんマーク」を自社の名刺や広告、商品などに付けることができます。子育て支援に取り組む「子育てサポート企業」としてのアピール効果が期待できます。

・優秀な人材の確保
妊娠や出産、育児を理由に優秀な人材が離職することは企業にとっても損失です。仕事と育児が両立できる、働きやすい職場環境を整えることは、人材の流出を防ぐだけでなく求職者に対してもアピールポイントになります。

・税制優遇措置が受けられる
青色申告を提出し、一定の期間内に初めて「くるみん認定」を受けた企業では、認定を受けた事業年度(1年間)に新築や増改築した建物については割増償却 することができます。

・公共調達で加点評価
公共調達をする場合、「くるみん」「プラチナくるみん」認定企業には加点評価を行っています。

「くるみん」「プラチナくるみん」の認定を受けると、企業イメージの向上や自社のアピール効果だけでなく、税制面や公共調達において具体的な恩恵を受けることができます。
行動計画に則って、働きやすい職場環境を整えることは優秀な人材の確保・定着、従業員満足度、業績向上にもつながっていくことになるでしょう。


5. まとめ

「くるみん」「プラチナくるみん」とは、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づいて、「一般事業主行動計画」を策定、実施し、一定の基準を満たした企業は厚生労働大臣から「子育てサポート企業」の認定を受けられる制度です。

一般事業主行動計画は、仕事と育児の両立に向けて職場環境の整備や多様な労働条件の整備するために以下の内容を定めています。
・計画期間
・目標
・目標を達成するための対策の内容と実施時期
また、策定した計画の一般への公表、労働者への周知、都道府県労働局への届け出が義務づけられています。

「くるみん」
行動計画を実施し、10項目の認定基準を満たした後に都道府県労働局に申請することによって、厚生労働大臣から「子育てサポート企業」の認定を受けることができます。

「プラチナくるみん」
「くるみん」の認定を受けた企業が、より高い基準を満たした後に都道府県労働局に申請することによって、厚生労働大臣から「優良子育てサポート企業」の認定を受けることができます。

「くるみん」「プラチナくるみん」認定を受けると次のような効果があります。
・企業のイメージ向上
・優秀な人材の確保
・税制優遇措置が受けられる
・公共調達で加点評価

「くるみん認定」を受ける企業は年々増加し、2018年3月時点で「くるみん」は2,878社、プラチナくるみんは195社が認定されています。
男性女性問わず、働きやすい職場環境には優秀な人材が定着し、結果として企業の業績の向上につながります。
「くるみん」「プラチナくるみん」認定を、自社の状況を測る一つの基準として捉えて常によりよい職場環境づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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