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集合研修の「真のメリット」を人材育成に活用するための3つのポイント

「集合研修は本当に必要なものだけにしたい」

このようにお考えの人材開発部門の方は多いのではないでしょうか?営業日に受講者をひとところに集めて行う集合研修は、どうしても現場の生産性に影響します。外部講師や会場にかかる費用、関係各所との連絡やスケジュールの管理、参加者リストの作成と変更対応、そして当日のアテンド、さらに実施後のフォロー。集合研修には多くのリソースがかかります。

eラーニングが普及した今、企業の教育管理者が、人材育成のプログラムを極力オンライン化し、集合型の研修を減らしたいと考えるのは自然なことと言えるでしょう。しかし、この切り替えに苦心している企業は少なくないようです。その主な理由は以下のように考えられます。

・信頼している講師との長年の関係を大切にしたい
・集合研修ならではのメリットを失いたくない
・集合研修をeラーニングに切り替える方法が分からない

これらの問題は解決できないのでしょうか?本稿では集合研修のメリットを改めて確認するとともに、真に価値のある集合研修を人材育成に活用する方法をご提案します。


1. 「集合研修ならではのメリット」は本当か?

冒頭に挙げた、迷いつつも集合研修を存続させている3つの理由のうち、まずは2つめの「集合研修ならではのメリットを失いたくない」について考えてみましょう。集合研修ならではのメリットとしては、以下のことが言われています。

・質疑応答やディスカッションなどを通じて即興的な対話が生まれ、それらを通じて更なる議論の発展・学びが期待できる
・対人コミュニケーションやロールプレイなど、実践的なトレーニングができる
・受講者間に仲間意識が生まれる
・いわゆる「雰囲気」を通じ、企業文化や風土の継承に役立つ

これは、eラーニングとの対比で明確になった、集合研修ならではの効果です。2000年以降、eラーニングは従来集合研修に席巻されていた企業の人材育成の現場に改革をもたらしました。普及し始めた頃は、先端技術を好む企業を中心に集合研修をeラーニングに置き換える動きが急速に進み、アニメーションを搭載したリッチな教材がたくさん開発されました。

しかし、集合研修からeラーニングへの移行を機械的に進めた企業では、一部の分野における学習効果の低下が問題視されるようになりました。集合研修のメリットを無視してeラーニング化を進めても、思うような効果は得られなかったわけです。このことがはっきりしてきたのは2010年代のことです。その後、本稿でも後ほどご紹介するブレンディッド・ラーニングという手法が注目されるようになりました。

確かに、当時のIT技術では、上記を「集合研修ならではのメリット」と言えたでしょう。しかしその後の技術革新により、オンライン上での双方向的なコミュニケーションは特別なものではなくなりました。eラーニングを「教材コンテンツ」とだけとらえていると見えにくいのですが、SNSの活用や、動画による緻密な技術共有、そしてテレビ会議システムの発展と普及により、オンラインで可能な学習の幅は格段に広がっています。いずれも当初はセキュリティ上の問題や価格がハードルになり、企業の人材育成への活用は難しいものがありました。しかし、少子高齢化・人材不足に端を発する働き方改革の推進により、IT、もといICTの活用は、今やビジネス界で当たり前のものとなっています。

そこで集合研修のメリットに立ち返ってみると、時間の経過とともにその評価も変化させるべきであることが分かります。つまり、

・質疑応答は即興的な対話もある程度はオンライン上で可能になっている
・実践的なトレーニングには動画を活用できる
・従業員同士の双方的なコミュニケーションは社内SNSやポータル等の活用で可能
・「雰囲気」はもはやリアル社会とネット社会、双方で成り立っているのが世の常識

考えてもみてください。通勤電車の中は、スマホを見ていない人の方が珍しいくらいです。仕事でもインターネットの利用は欠かせません。利用しているのがSNSであれ、ゲームであれ、ビジネスサイトであれ、現代のビジネスパーソンはリアル社会とネット社会、双方に軸足を置き、バランスを取りながら日々の業務をこなしているのです。

もちろん、集合研修でしか体験・習得できない要素はあります。しかし、ICTが未発達な段階での「集合研修にしかないメリット」というのは、すでに形骸化してきていると考えてよいでしょう。これからの企業の人材育成においては、リアル空間に固執するでもなく、また否定するでもなく、最新のICT技術を取り入れながら、オンライン空間との最適な調和を実現し、これを「従業員の成長」に結び付けていくことが重要になってくると思われます。


2. 集合研修の「真のメリット」を人材育成に活用するための3つのポイント

上記の考察を踏まえて、本章では集合研修の真のメリットだけを人材育成に活用する方法について考えます。すなわち集合研修の真のメリットとは、

自社のビジネスの成長に結びつく建設的な対話やイノベーションにつながるような刺激、発想を参加者にもたらす可能性を持つこと

であると言えるでしょう。

現代の日本の企業に突きつけられている課題は多くありますが、その代表的なものとして「クリエイティビティ」「リーダーシップ」「エンゲージメント」の不足が挙げられます。
集合研修の場は、これらの課題を解決するためにこそ活用されるべきです。逆に言うと、そこに結びつかない集合型の研修については見直しを図ってみてもよいかもしれません。

以以下では、そのためにできる工夫をご紹介します。

2-1. 集合研修じゃなくてもよいものはeラーニング化する

上記で述べたように、集合研修は企業の重要課題に取り組んでいくための「特別な場」とするべきです。人材不足の中、貴重なリソースを費やして開催するのですから、場合によっては従来以上にコストと手間をかけ、戦略的に計画・実践していく必要があります。

そこに注力するために、その他の研修は極力eラーニング化していくことをおすすめします。eラーニングはいわゆる「教材コンテンツ」だけではありません。学習管理システム(LMS、Learning Management System)に注目しましょう。コンテンツの配信のみならず、SNS機能やアンケート機能、スキル管理やキャリア管理機能を持つシステムも登場しています。単に「学習」を管理するだけでなく、「学習する人」の成長に関する情報を一元管理し、さらなるステップアップを支援するプラットフォームです。

学習管理システムをフル活用することで、従来集合研修でやってきた学習内容をかなりの範囲でカバーできることは間違いありません。単純な例では、既存の集合研修を「eラーニング化」してしまうという手もあります。これについては別記事「集合研修をeラーニングにする方法 動画と専用ツールで簡単リユース」をご参照ください。外部講師との調整方法についてもアドバイスを記載しています。

2-2. 他の教育手法とブレンドする

先に触れたブレンディッド・ラーニングの活用です。前項の「集合研修じゃなくても良いものはeラーニング化する」とも深く関わってきます。

ブレンディッド・ラーニングはその名の通り「混合学習」の意味で、集合研修とeラーニングを組み合わせて運用する手法です。集合研修をブレンディッド・ラーニング化する場合、一つの教育施策を分解し、目的に応じてeラーニングと集合研修に振り分けます。

分かりやすい例として、3日間の集合研修を想定してみましょう。以下のようなプログラムだとします。

このうち、eラーニングで実現可能なパートを特定します。

科目にもよりますが、講義は知識の習得がメインでしょうから、個人の予習とすることができるでしょう。テストやアンケートはeラーニングの得意分野です。結果をデータとして取り出せますので、運用も効率化できます。

このような考え方で分解、そして「ブレンド」すると、以下のようなプログラムが出来上がります。

上記の例はかなり分かりやすくしていますので、実際にはもう少し検討要素があるかと思いますが、単純に考えれば集合研修は3日間から1.5日間に短縮できます。仮にこの研修を合宿で行っていた場合、交通費や宿泊費等の部分でかなりのコスト効果が期待できるでしょう。

受講者の方は業務を離れる時間が短くなりますし、eラーニングは基本的に任意の時間・場所で実施できますので、生産性の点でもメリットが期待できます。間に集合研修をはさむことで、講師や他の受講生との直接的なコミュニケーションが生まれ、モチベーションアップも期待できます。ある企業では、この方法の導入により、年間2000万円以上の経費節減を実現しています。

既存の集合研修プログラムを分解し、eラーニングとブレンドする際のポイントは以下の通りです。

・原理原則などの知識修得型の教育、および集計の必要なテストアンケート類はeラーニングで実施する
・時事的な内容、および実技演習などを集合研修で実施する

集合研修とeラーニングは相反する手法、二者択一というものではなく、それぞれの長所を活かして複合的に活用し、相乗効果を狙うべき関係だということができるでしょう。高い品質の集合研修を提供してくれる、または長期に亘って信頼関係を築いてきた外部講師がいる場合には、その方の集合研修をコアパートとして残せばよいのです。eラーニングパートの制作にあたり監修をしていただく、研修プログラム全体のアドバイザーになっていただくなど、パートナシップの形も色々あります。

アクションラーニングや反転教育も、こうした考え方に基づいてブレンディッド・ラーニングから派生した教育手法です。ぜひ以下の記事も参考にしてください。

2-3. 集合研修の管理をIT化する

最後に、「真に効果的な集合研修」の運用を強力にサポートする方法をご紹介します。それは、集合研修の告知・予約・スケジュール管理・成績管理・事後課題の実施・その他フォローを、システム上で実施・管理することです。

学習管理システムの機能が多様化していることは述べましたが、集合研修の管理機能を搭載しているものも出てきています。これは、ブレンディッド・ラーニングが普及し、eラーニングと集合研修、双方の履歴を一元管理する必要性が高まったことに鑑みれば、必然と言えるでしょう。

参考)CAREERSHIP®の集合研修成績管理画面

eラーニングと集合研修の履歴を同一システム上で一元管理することができれば、研修プログラムのほとんどが網羅できると言ってよいでしょう。そして、それと同等かそれ以上のメリットとして、集合研修の企画から実施までの各種手続きや連絡をシステム上で行えることが挙げられます。

実施予定の集合研修を登録し、参加者を募集し、必要に応じて選抜・承認を行い、電子ファイルで当日の資料を配布し、前日に確認メールを自動配信する、といった一連の作業を、学習管理システムの集合研修管理機能を使えば簡単に実施することができます。

もし、今現在エクセルやメールを使って人力で集合研修の手配を行っている教育管理社の方がいらっしゃいましたら、すぐに「学習管理システム 集合研修」で検索してみてください。すでにeラーニングを導入されているようでしたら、契約している学習管理システムに集合研修管理機能がないか、情報システム部門またはベンダーに問い合わせてみましょう。雑多な管理業務から解放されるチャンスです。

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3. まとめ

eラーニング普及の反動として、以下のようなことが「集合研修ならではのメリット」と言われてきました。

・質疑応答やディスカッションなどを通じて即興的な対話が生まれ、それらを通じて更なる議論の発展・学びが期待できる
・対人コミュニケーションやロールプレイなど、実践的なトレーニングができる
・受講者間に仲間意識が生まれる
・いわゆる「雰囲気」を通じ、企業文化や風土の継承に役立つ

しかし、ICT技術の発達により、上記の内容は形骸化しつつあり、今では次のような反論が可能です。

・質疑応答は即興的な対話もある程度はオンライン上で可能になっている
・実践的なトレーニングには動画を活用できる
・従業員同士の双方的なコミュニケーションは社内SNSやポータル等の活用で可能
・「雰囲気」はもはやリアル社会とネット社会、双方で成り立っているのが世の常識

集合研修の「真のメリット」とは、この反論を持ってしてもカバーできない部分、すなわち「自社のビジネスの成長に結びつく建設的な対話やイノベーションにつながるような刺激、発想を参加者にもたらす可能性を持つこと」にあると言えるでしょう。

具体的には、クリエイティビティ、リーダーシップ、エンゲージメントといった企業の最重要課題に取り組んでいくためにこそ、集合研修は活用されるべきです。

この集合研修の「真のメリット」を人材育成に最大限活用するためのポイントとして、以下の3点が挙げられます。

・集合研修じゃなくてもよいものはeラーニング化する
・他の教育手法とブレンドする
・集合研修の管理をIT化する

信頼の厚い外部講師がいる場合は、コアとなる集合研修の残し方や、集合研修をeラーニング化する際の監修、研修プログラム全体のアドバイジングなどを依頼するのもよいでしょう。

これを機に、自社の集合研修の真の目的を整理し、研修プログラム全体を見直してはいかがでしょうか。より効果的かつ効率的な形が見つかるかもしれません。

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