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eラーニングで企業の人材育成を成功させるために必要な知識と実践方法の全て

eラーニングとは何か 教育×ITで低コスト・スピード・効果を実現

eラーニングとは、インターネットを利用してパソコンやモバイル端末で学習を行う仕組みのことです。

「eラーニング=教材」を指すこともありますが、正確にはeラーニングは「教育手法」であり、教材コンテンツとこれを運用するシステムで構成されています

本稿ではeラーニングの種類や運用の仕組み、発達過程や規格の変遷について、その概要を分かりやすく・コンパクトに解説します。そこには現在企業の人材育成上のニーズに応える様々な要素が反映されています。ぜひ参考にしてください。


1. eラーニングとは

eラーニングの”e”electric””e”です。「eラーニング」を直訳すると「電子的教育」ということになります。広義にとらえれば「電子的」であればよいので、具体的な実施形態や学習内容について特に規定はありません。そこで、ここでは一般的な企業で活用されているeラーニングをモデルに、基本情報を確認していきます。

1-1. eラーニングの定義

日本イーラーニングコンソシアムによると、eラーニングは「パソコンとインターネットを中心とするIT技術を活用した教育システム」と定義されています[1]

企業で活用されているeラーニングの基本スタイルは、LMS(Learning Management System, 学習管理システム)と呼ばれるサーバー上のシステムから、教材コンテンツを配信するというものです。教材コンテンツは従来イラストやアニメーションと原稿、そしてそれを読み上げるナレーションで構成されるのが一般的でしたが、近年はイラストと原稿だけのシンプルなものや、動画を活用したものが増えています。

また、教材コンテンツを配信するだけではなく、ライブ性や双方向性を重視したeラーニングもあります。例えば、講師のレクチャーをライブ配信したり、テレビ会議システムを使ってディスカッションやワンオンワンの授業を行う、などです。実施時にリアルタイムで人の手が必要となるため、単なるコンテンツ配信と比べてコストがかかりますが、個々の受講者のニーズに応えられる分、高い学習効果が望めます

1-2. eラーニングの仕組み

eラーニングの基本スタイルの運用イメージは以下の通りです。

LMSDVDでいうところのプレイヤーのようなイメージで、ここにソフトにあたる教材コンテンツを登録し、配信します。受講者は、配信される教材コンテンツをパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末で閲覧し、確認テストを受けます。

LMSが単なるプレイヤーに留まらないのは、受講者の学習履歴を記録・管理できる点にあります。受講者の端末から、その受講者がいつどの教材を受講し、進捗状況はどうで、確認テストは何点だったか、といった情報をキャッチし、データベースに格納するのです。

教育を提供する事務局(システム管理者)は、学習履歴を確認することで、教育施策の進捗管理を行います。

LMS自体は、事業者のサーバー上のものをクラウドサービスで利用するか、自社サーバー上に構築して利用するかの、2つのパターンがあります。クラウドサービスの場合、受講者の端末さえ用意できればすぐに受講が可能です。後者の場合は、システムを導入・設定する必要があるので、初期投資が必要です。外部インターネット通信が可能であれば、クラウドサービスを利用する形が主流です。

-LMSについて詳しくは>>LMSとは何か eラーニングとの関係や今後の進化の方向性を徹底解説
クラウドサービスのメリットについて詳しくは>>eラーニングはクラウド型がおすすめ メリットばかりのその理由とは


2. eラーニングのいまむかし

2015年に行われたある調査によると、国内企業360社のうち「eラーニングを実施している」と回答した企業は80.0%で、前年度調査の1.3倍でした[2]。企業の人材育成の効率化やスピードアップ、費用対効果の向上が求められる中、eラーニングは確実に普及を続けています。ここではそんなeラーニングの変遷を簡単にまとめてみました。

eラーニングのメリットについて詳しくは>>「eラーニングのメリット・デメリット 管理者と学習者双方の視点で考察」

2-1. eラーニングの歴史

eラーニングは、IT社会の実現を目指す人々と、よりよい教育を追究する人々が、相互に影響し合いながら、ともに作り上げてきた教育手法といえます。その始まりは1990年代のアメリカでした。日本に本格的に普及し始めたきっかけは、2000年、インターネットの普及と共に、日本型のIT社会を目指すとして政府が発表したe-Japan構想です。

2001年には「産・官・学の力を結集し、継続的にユーザおよびeラーニング事業者の方々に積極的な支援活動を推進するために[3]」特定非営利活動法人「日本eラーニングコンソシアム」が発足し、eラーニングの普及促進事業が開始されました。

その後、まずは企業や高等教育機関での活用が試みられました。ほどなく課題となったのは、教育のコストと効果のバランシングです。集合研修をeラーニングに置き換えることにより、コストを削減することはできますが、集合研修のメリットを無視して機械的に置き換えを進めると、教育効果が損なわれてしまいます。

そこで、集合研修とeラーニング、それぞれの長所を活かして使い分けることで教育の効果を最大限にする「ブレンディッドラーニング」という考え方が生まれました。

こうした手法は、今では小学校や学習塾でも活用されています。例えば、学習そのものはタブレット端末等を用いて生徒各自が行い、授業を質疑応答やディスカッション、応用問題への取り組みの場として活用する「反転教育」なども、その一例といえるでしょう。

また、企業においては、eラーニングをタレントマネジメントに活かす取り組みも行われています。これは、職種や職位に応じたスキルセットを定義し、それを構成するスキル項目ごとに教育手法を定めて実施していくものです。知識が中心で個人学習が可能なものにはeラーニングを適用します。グループワークが必要なものには集合研修を、さらに現場の実作業等に関するものにはOJTを適用します。それぞれのスキルを最も効果的な形で学び、修得できるよう、事前に設計を行うことで、自社にとって理想的な人材を育成することができるのです。

このように、eラーニングは既に私たちの教育システムの1つとして広く認知され、様々な形で活用されています。今後、人材不足に直面しながら生産性の向上を目指していかなければならない日本において、eラーニングを活用した教育手法はさらに進化を続けていくことでしょう。

-IT技術とeラーニングの発展の関係について詳しくは>>eラーニングの歴史 人材育成のあり方を変えた教育手法の軌跡をたどる

2-2. eラーニングの規格

1-2. eラーニングの仕組み」でご紹介したLMSとコンテンツ教材を組み合わせて運用するタイプのeラーニングには、標準規格があります。業界人以外は知っておく必要はないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

LMSに記録された学習履歴は、個人と企業の情報資産です。例えばこれを他のシステムに移行したり、何らかの理由によってシステムを統合する必要が生じた場合、規格が統一されていないと大変な混乱が生じます。そこで、主に学習履歴のデータの持ち方や記録の仕方についてルールを設け、LMSや教材コンテンツの開発事業者にこれを守らせる仕組みが構築されているのです。

現在普及しているeラーニングの標準規格は「SCORM1.2」もしくは「SCORM2004」です。

また、次期規格として「xAPI ( Experience API )」も公開されています。xAPIは、eラーニングだけでなく、オフラインで行われる様々な学習の履歴や人事情報、業務履歴、実績等 ― つまりそのビジネスパーソンを形成するあらゆる経験(experience)― の情報を統合的に管理・分析し、新しいデータ活用につなげようとするものです。

LMSや教材コンテンツを新規導入する際は、どの規格に準拠しているかを確認しておきましょう。

2-3. 教材コンテンツの変化

IT技術や端末の変化と共に、eラーニングで使われる教材コンテンツも変化しています

かつて、eラーニングにはリッチなアニメーションがよく利用されていました。制作には多くの場合「Flash」というコンテンツ制作ソフトが使われ、受講者は「Flash Player」というプラグインを介してアニメーションを再生し、学習していたのです。しかし、IT技術や環境の移り変わりとともに、脆弱性などの問題が発生し、開発元であるAdobe社は2017726日、Flash Playerの提供を2020年末で終了することを発表しました。

こうした背景もあり、最近のeラーニングではアニメーションを使うものが減っています。替わって、シンプルな構成のスライドやイラスト、写真、動画が駆使されるようになりました

こうした傾向は、スマートフォンやタブレットの普及による端末の多様化とシンクロするものとも言えるでしょう。こうした端末の利用者は、限定された画面の中に配置されている文字や画像、動画から情報を得ることに慣れているのです。

多くの場合、重視されるのは「有益な情報をいかに効率的に得られるか」です。端的な文章表現と分かりやすい非文字情報。ともすれば、教材中のアニメーションは冗長という評価を受けかねません。

近年注目されている「モバイルラーニング」や「マイクロラーニング」、「ソーシャルラーニング」などの教育手法も、こうした傾向を反映して登場してきたものと言えるでしょう。

2-4. 教材コンテンツの内製化

eラーニングにリッチなアニメーションが使われていた時代、企業が自社内で教材コンテンツを制作するのはほぼ不可能でした。しかし、動きのないスライドやイラスト、写真、動画がメインであれば、自社で素材を作ることも可能です。人材育成にこれまで以上にスピードとコスト削減が求められるようになったこととも相まって、近年は教材コンテンツを内製する企業が増えています。

内製には、LMSベンダーが提供している教材作成ツールが使われます。PowerPointExcelなどで作成したファイルをWebコンテンツに変換することができるので、特別な技術や環境がいらず、自社に必要な教材を低コスト・短期間で作成することができます。

教材の作成方法については>>「〔仕様書サンプル付き〕失敗しないeラーニング 教材の作り方」「失敗しないeラーニング 「よいテスト」を効率的に作成する方法


まとめ

いかがでしたか?
eラーニングの定義や仕組み、歴史や規格などについて、基本的な情報をご紹介しました。

eラーニングはインターネットを利用してパソコンやモバイル端末で学習を行う教育手法です。様々なタイプのものがありますが、企業で利用されるeラーニングは、LMSに教材コンテンツを登録し、それを配信する形が一般的です。外部インターネット通信が可能であれば、クラウドサービスを利用する形が主流です。

eラーニングは1990年代にアメリカで生まれ、日本では2000年の「e-Japan構想」以来、IT技術の発展とともに進化してきました。

当初はコスト削減を目指して集合研修を機械的にeラーニングに置き換える動きもみられましたが、教育効果の観点から、今では集合研修とeラーニングそれぞれの長所を活かした「ブレンディッドラーニング」という考え方が普及しています。また、自社に必要なスキルセットに対してeラーニングや集合研修、OJTを組み合わせた教育を設計し、タレントマネジメントに活用する動きもみられます

eラーニングには「SCORM1.2」「SCORM2004」「XAPI」などの規格があり、これに準拠していれば教材や学習履歴を別のLMSに移行することが可能です。

教材コンテンツについては、従来はアニメーションを利用したものが多くみられましたが、IT環境の変化やモバイル端末の普及により、近年はイラストと原稿だけのシンプルなものと、動画を活用したものが増えています

また、LMSベンダーが提供する教材作成ツールを使ってこうした教材コンテンツを自社で作成する企業も増えています。

IT技術とともに発展し、利便性と自由度を高めてきたeラーニング。ビジネスの変化スピードに対応しながら、コストを抑え、より効率的な人材育成を実現するためには、教育にも戦略性と柔軟性が求められます。これを機会に、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

[1] 日本イーラーニングコンソシアム (編集)2004)『eラーニング導入ガイド』p.1, 東京電機大学出版局.
[2] 株式会社日本能率協会マネジメントセンター「国内企業360社対象 e ラーニングに関する実施状況調査」< https://www.jmam.co.jp/topics/1223801_1893.html >
[3] 日本イーラーニングコンソシアム「eLCについて」<http://www.elc.or.jp/about_us/>2017814日閲覧)

 

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