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〔大日本住友製薬〕LMSのシステム管理者が10名からゼロに 社内の基盤を整え、質の高い教育を目指す

社内の人財教育を推進する上で、教育推進担当者が、思った以上に細かい業務に時間と労力を取られている。

そのように感じている方は、実は多いのではないでしょうか?
医療用医薬品の製造および販売を主な事業とする大日本住友製薬株式会社でも、統合型eラーニングシステム(LMS)を導入する以前は、開発、生産および営業などの部門ごとにeラーニングを運用し、全社合わせると10名程度の教育担当者が管理業務に追われている、という現実がありました。

ところが2016年に、それまでの3社のLMSを併用していた状態から、ライトワークスのLMS「Careership®」に統合したところ、システム運用維持管理に携わる社員は事実上ゼロになり、教育担当は本来やるべき良質な教育提供のための企画・開発などの業務に集中できるようになりました。また、担当者の工数削減のみならず、関連子会社を含む大日本住友製薬グループとしての教育基盤を作る上で、さまざまな波及効果があったといいます。

LMSの導入と普及を中心的に進められた大日本住友製薬株式会社 IT&デジタル革新推進部 IT統制グループ(インフラ統括チーム)チームリーダー石坪茂様、何原祐子様に統合前の課題、導入にあたって重視したこと、さらには「Careership®」導入の効果と今後の展望についてお話を伺いました。


1. 課題:組織変更が管理者・受講者双方の負担に

―ライトワークスの「Careership®」に統合する以前は、社内で3社のeラーニングを使われていたと聞きました。そもそも何故そのようになっていたのでしょうか?

何原様 もともとは研究、生産や営業などのそれぞれの部門が自部門に適したeラーニングを独自に使っていました。その結果、全社的にみると、3社のeラーニング会社が提供するサービスが併用されていた、という状態ですね。

―全社で1つのLMSに統合しようとなったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

石坪様 部門ごとに運用していたので、たとえば誰かが部署異動すると、移動先の部署で新たにユーザー登録してIDを発行して、という作業が発生していました。異動した本人も、操作性の異なるeラーニングにまずは慣れるところから始めなければいけない。当然、システムが変わるので過去の学習履歴の連携もありません。これでは教育担当者も受講者も負担が大きく、その分、本来やるべき仕事にかける時間や労力が削られてしまいます。そこで我々IT部門が主導して、全社的な教育システムに統一し、使いやすいものにしていこうということでプロジェクトがスタートしました。

―異動のたびに作業が発生するとなると、管理工数は相当かかっていたでしょうね。

何原様 年に2回、大きな組織変更・人事異動があり、それに加えて細かい異動が不定期にありました。各部署がどのように運用していたか細かくは把握していませんが、相当煩雑だったと思います。


2. 導入:LMSに求めた3つの要件

―いざ統合プロジェクトが動き出して、どのような点を重視してLMSを検討・選択されたのでしょうか?

石坪様 特に重要視したのは(1)セキュリティ、(2)操作性、(3)運用の3つのポイントです。まず(1)セキュリティですが、eラーニングとしての利便性や効率性を考えると、いつでもどこでも、マルチデバイスでの利用を実現したい。一方でそれは情報漏えいのリスクが高まることを意味しています。利便性とセキュリティがトレードオフにならないよう、会社貸与のPC・iPhone・iPadからしか接続を認めないといった個体認証は必須と考えました。

何原様 移動中などの空き時間を利用してiPhoneを利用する社員も多く、社外からアクセスできる教材とそうでない教材に分けた教材管理も今はできるようになっており、その点でも安心です。

石坪様 次に(2)操作性については、PCで利用する際のSSO(シングルサインオン)を可能にすること。最後に(3)運用面では、Active Directory[1]との連携ができること。これによって、頻繁に発生する組織変更・人事異動への対応を自動化し、教育担当者の負荷を最小限にすることを目指しました。
そのほか、本部→部門→グループなど、社内の組織階層にあわせて教材の対象を細かく設定できるところ。また、費用についてもライセンス数に基づいた料金設定ではなく、利用料に応じた従量課金であるところなども「Careership®」採用のポイントです。実際に2~3月は実施が増えるなど、活用の波があるので、従量課金というのは利用する我々にとってはありがたいです。

―LMS統合後、どのように「Careership®」を運用されていますか?

何原様 教育基盤として使いやすいシステムが提供できるようになったので、活用については、全社教育も部門ごとの教育も、それぞれの担当部署で自律的に進めてもらっています。運用開始当初は普及のための取り組みをいろいろと実施していましたが、現在は、教材の企画や作成、実行も含め、各担当に完全に任せている状態です。我々IT部門としては、担当する情報セキュリティの全社教育の実行、あとは、より良い教育を効率的に実現できるようLMSの機能改善や利用範囲拡大の検討などを継続しています。

[1] マイクロソフトが提供する、ネットワーク上にあるPC等の認証を行い統括的に管理するための仕組み


3. 効果:システム管理者10人→ゼロを実現

―「Careership®」の運用がスタートし、どのような効果がありましたか?まずは、課題として挙げられていた教育担当者の負担軽減という面でいかがでしょうか?

石坪様 組織変更・人事異動への対応は完全に自動化されましたから、各部門で2~3名、全社あわせると10名の教育担当者全員が、システム管理運用のためのユーザー管理業務から完全に開放されました。10名で行っていたものがゼロになったわけですから、この効果は本当に大きいと感じています。そのほかにも、教育推進にあたってのこまごまとした業務がずいぶん軽減されました。

―具体的にはどのようなことですか?

石坪様 我々の部門で実施している全社に向けた情報セキュリティ教育を例に説明しますと、ある期日までに情報セキュリティのeラーニングを受講してテストを受けてもらうのですが、期日までにやってくれない社員がどうしてもいるわけです。これまでは、締め切りを過ぎたら受講状況を確認し、未受講者を選んで手動で催促メールを送っていました。「Careership®」では、そのような未受講者に向けた催促メールの配信も自動化されていて、自分たちで細かく手を動かす必要がなくなりました。受ける側の利便性も向上したからだと思いますが、それまでは想定実施期間の2倍はかかっていた完了までの期間も短縮されましたね。

―受ける側というお話が出ましたが、受講者側から見ると、その他にどのようなメリットがあったとお考えでしょうか?

何原様 受講者にとっては「いつでもどこでも」が実現したことですね。特にそれを実感するのは、動画教材を使う場合です。LMS統合以前も動画を使った研修があり、当時はDVDを用意して、受講対象グループに配布し、グループ内で日程を調整し、集まって視聴したあとDVDを返却してもらうという一連の流れでした。対象者には役員も含まれたりするので日程調整をするだけでも大変です。それが今は、各自が空き時間を有効活用して動画にアクセスできるようになったので、本当に便利になりました。

石坪様 現在、大日本住友製薬のネットワークにつながっている7社の関係子会社のうち5社でも活用しています。各子会社でそれぞれLMSを契約するとコストも手間も大変です。それを我々の部門からサービス提供できているので、グループ全体としてのコスト削減にも貢献できています。


4. 展開:LMS導入がもたらした波及効果

―システム自体が提供するベネフィットとは別の波及効果もあったそうですね。

何原様 LMS普及を進めるにあたって、各部門で教育を担当していた社員を集め、講習会や座談会を実施しました。それ以前は、各部門の教育担当が顔を合わせる機会もなかったので、eラーニングが部門ごとにばらばらだっただけではく、お互いがどのように教育を推進しているのかも知らずにいました。LMS導入をきっかけに集まる機会を定期的に設けたことで、教育担当者の部門横断的なコミュニティが形成できました。現在は、社内SNSでの交流に移行しましたが、同じ悩みや課題を持つ担当者同士がつながる場ができたこと、そしてその中で便利な使い方の共有や、お互いの教育関連情報を交換できるようになったことで、工数やコスト削減だけでなく、教育自体の質の向上や全社を視野にいれた運用の検討などまで波及効果があったと感じています。

石坪様 そのほかに、予想外のところでいうと、「Careership®」のアンケートツールがものすごく使われている、ということですね。教育という範囲にとどまらず、たとえば昇格に関するアンケートだったり、健康診断の受診確認だったり、さまざまな部署で本当に多種多様に利用されています。IT部門としては、業務効率化に資する仕組みを提供できてよかったと感じています。


5. 今後の取り組み

―今後、LMSを活用して、どのようなことに取り組んでいきたいとお考えですか?

石坪様 大きく3つあります。1つ目は、営業部門での機能活用です。営業部門のMR(Medical Representative、医薬情報担当者)教育に関して、当社ではeラーニングではなく、上司が講師になりディスカッションをしながら進めていくような、集合研修と現場での技能研修を組み合わせた教育を行っています。これについて、研修後に受けるテストや実施報告をLMS上で実現するために現在準備を進めているところです。2つ目は、資格・経歴情報を管理するタレントマネジメントシステムとの連携です。LMSのUI(User Interface)向上と併せて進め、受講者・管理者双方の利便性をさらに高めていければと思っています。3つ目は、教材の共有や連携です。現在、教材の企画開発や実行は各部門に任せており、それぞれがどのような教材を提供しているか、他の部門から見ることはできません。中には他の部門でも活用した方が良いものもありますが、社内SNSでの自発的な情報共有に依存していると、各教育担当が、自身の担当業務で追われている中ではなかなか交流が進みません。システムを使うことを通じて情報連携を推進していくことができないかということを、今後考えていきたいと思っています。


6. まとめ

大日本住友製薬では、人事部ではなくIT部門が主幹となってLMS導入を進めました。それだけに、LMSを“基盤”と捉え、いかに使いやすい仕組みを全社に提供できるか、システムを活用して管理者・受講者双方の手間を減らし効率性を高められるか、という視点が真ん中にあるように感じました。そのことが結果として、よりよい教育の実現につながっているというのは、「Careership®」を提供している私たちライトワークスにとっても大きな発見でした。

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