コンピテンシーとは 行動特性の見える化で業績を上げる人事制度を実現する

コンピテンシーとは、企業の業務などを担う人の高い成果や大きな業績に結び付く行動特性のことで、人材の育成や採用・配置、評価などに活用されています。

年功序列から能力や成果に基づく人事制度に変更したものの、成果が見えず、従業員の行動にも大きな変化が見られない、と嘆いている経営者や人事担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

能力や成果に注目した人事制度というのはどのように構築・運用すればよいのか。

本稿ではそのカギとなるコンピテンシーの特徴、導入方法、メリットや注意点など解説します。人事制度の構築・運用などの参考にしてください。


1. コンピテンシーとは

コンピテンシーとは企業の業務などを担う人の高い成果や大きな業績に結び付く行動特性のことです。例えば、業績のよい営業マンなどには特有の行動特性が見られます。的確な顧客分析、上手なコミュニケーションの取り方、入念な資料の準備、メリハリのあるアプローチとフォローなどです。

こうした高い業績に結び付く行動特性を分析して、モデル化やパターン化をし、他の営業マンにそれを学習・実行させることで業務成果の向上が期待できます。また、コンピテンシーのモデルに沿った行動がとれているかで社員を適正に評価することも可能です。さらに各職務でモデルを設定すれば人材が必要な部門の採用や配置などにも利用できます。

つまり、コンピテンシーが人事制度の構築・運用の核として利用され、それに基づいた人材育成、採用・配置、評価などが展開されるのです。

コンピテンシーを利用した人事制度は1990年代の後半から日本の企業でも採用されるケースが増えています。年功序列から能力・成果主義に基づく人事制度へ移行した企業は多いですが、十分な成果が得られずコンピテンシーの考え方を活用する例が増えているのです。

能力は発揮されて初めて意味があり、実現した成果も偶然の結果では将来に不安が残ります。こうした能力・成果主義などの問題点をカバーする存在として期待されているのがコンピテンシーに着目した人事制度なのです。


2. コンピテンシーの導入方法とは

コンピテンシーの導入は、コンピテンシーの分析と候補の抽出評価と修正→研修と制度の導入開始といったステップで行われます。

2-1. コンピテンシーの分析と抽出

各業務で優秀な成果を上げている社員の行動特性を分析し、その業務でのコンピテンシーが分析されます。また、管理職などのリーダーの行動特性も分析対象の1つです。

分析では、目標の達成に向けた行動、コミュニケーション、他者との協力、顧客満足の向上、部下育成などの具体的な行動特性が確認されます。ほかには論理思考、問題への取り組み方、時間管理や自己研鑽の仕方などです。

この分析の結果、重要と考えられるコンピテンシーが候補としてリストアップされます。

2-2. 評価と修正

コンピテンシーの候補(コンピテンシーモデル)が適切であるかどうかの評価が必要になります。評価の仕方は、作成者自身や対象業務の複数の社員に対して実際にそのモデルで評価するといった方法になります。

成果を挙げている優秀な社員なのにモデルに合致しない点が多い、成果がよくない社員なのにモデルに合致する点が多い、といった状況が生じた場合は修正が必要です。

2-3. 研修と制度の導入開始

コンピテンシーを利用した人事制度を導入する前に、全社員に導入の説明と社員研修が必要です。

コンピテンシーの内容や意義、運用ルール、評価方法などについて、社員の認知・理解を得なければなりません。そして、研修が終了した後経営トップがコンピテンシーモデルの導入宣言を行い、その重要性を社員にアピールしておくことが重要です。


3. コンピテンシーモデル導入のメリット

ここではコンピテンシーを人事制度に利用することで得られるメリットを紹介します。

3-1. 行動指針や指導基準になる

どのような行動をしたら業務成果が向上できるかが明確となるため、コンピテンシーは社員の行動指針となります。また、管理職では部下を指導するための指導基準にもなるため、部下への適切な指導や育成が容易になるでしょう。

3-2. 価値観やノウハウの共有化が進む

新たに得た知識やノウハウなどが社内に導入された場合、それがコンピテンシーモデルに反映されれば短期間での共有化(ナレッジマネジメント)が実現できます。

3-3. 成果・業績向上に繋がる

コンピテンシーモデルは成果に結びつく行動特性のモデル化なので、全社員が適切に実行すれば自ずと成果が現れ、業績の向上が期待されます。

3-4. 人事制度の中核機能として利用できる

モデルを根拠とすれば成果に結びつく社員育成方法の策定も難しくありません。また、人事評価もモデルが基準となるため、公平な評価が容易となり社員の評価に対する納得感も向上するでしょう。必要な人材像がモデルにより明確となるので、採用や配置・異動が的確に実施されやすくなります。


4. コンピテンシーモデルの導入や運用での注意点

業務成果の実現に向け、以下のような注意が必要です。

4-1. 導入後のチェックと修正

モデル導入後の効果確認、すなわち社員がモデルに沿った行動をとっているかのチェックが必要です。モデルを導入しても実施されなければ無意味なので、定期的な確認が求められます。

また、モデルに沿った行動がとれていても成果に結びつかないならモデルは修正しなければなりません。加えて導入当初は適切でもビジネスの状況によってはモデルの修正が要求されます。つまり、経営状況に合わせたモデルのアップデートが必要になるのです。

4-2. コンピテンシーモデルを実施させる取り組みも重要

モデルに適合した行動を促す取り組みが重要です。人は従前のやり方を是として、新しいやり方を拒絶する傾向があるため、それを打破する取り組みが求められます。

モデルの導入意義の伝達、上司の適切な指導によるモデル効果の体感、実施に対する昇給や昇格等の明示といったやる気を引き出す取り組みが重要です。


5. まとめ

コンピテンシーとは企業の業務などを担う人の高い成果や大きな業績に結び付く行動特性のことです。

・コンピテンシーの導入方法は主に以下のような内容の順番で展開されます。

1 コンピテンシーの分析と抽出
2 評価と修正
3 研修と制度の導入開始

・コンピテンシーモデルを人事制度に利用すると以下のようなメリットが得られます。

1 行動指針や指導基準になる
2 価値観やノウハウの共有化が進む
3 成果・業績向上に繋がる
4 人事制度の中核機能として利用できる

・コンピテンシーモデルの導入や運用で以下のような注意点があります。

1 導入後のチェックと修正
2 コンピテンシーモデルを実施させる取り組みも重要

コンピテンシーとして抽出されるのは、成果に結びつく、顕在化できる能力です。分析にあたっては、成果主義で重視される「結果」よりも、成果に結びつく「行動」自体や「プロセス」が対象となります。その特徴から能力・成果主義の人事制度の欠点のカバーが期待されるのです。

コンピテンシーの考えを人事制度に利用する動きは日本でも1990年代の後半から増加しています。現在の能力・成果主義の人事制度で上手くいかない場合や成果の拡大に結び付く人事制度を構築したい場合はコンピテンシーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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