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中国赴任者が行うべき手続きとは?手続き内容と方法を解説[一覧表付]

「赴任に向けて会社から一通り説明を受けたけど、手続きが色々あって正直不安しかない…」

中国への赴任が決まり、モチベーションを上げていきたいところなのに手続きの嵐にげんなり―――そんな心境に陥る方は多いと思います。

ただでさえ業務の引継ぎや準備で忙しいのに、よく知らない手続きについて逐一調べ、試行錯誤で進めていくのはストレスですよね。でも、最初に全貌を確認し、進め方が分かっていれば、そのストレスは減らすことができます。

本稿では、中国赴任に関する手続きを解説します。公的なものから私的なものまで丁寧に解説するとともに、手続きを一覧表にまとめています。

勤務先との調整によっては、全ての手続きを自分でやる必要はないかもしれません。ただ、自身の生活とビジネスの拠点を日本から海外に移すために必要なステップを知っておくことは、グローバル人材としての知見を広げることにつながります。ぜひ参考にしてください。


1. 中国赴任に関する手続き 公的編

海外赴任する際の手続きは多岐にわたります。その中には引っ越しや現地での銀行口座開設などの私的な手続きもあれば、役所や大使館を通す公的な手続きもあります。

本項では、パスポート・ビザ発給という公的な手続きについて解説します。

1-1. パスポート申請

赴任前に最初に確認すべきは、パスポートの有効期限です。パスポートの有効期限は残存有効期間といいます。

中国で就労するために必要なZビザを取得するためには、パスポートに6カ月以上の残存有効期間が必要です。

パスポートを新たに申請するために必要な書類は以下の通りです。

・一般旅券発給申請書
・戸籍謄本(または戸籍抄本) ※申請日前6か月以内に作成されたもの
・住民票の写し
・写真
・申請者本人と確認できる書類

パスポートの残存有効期間を延長する場合に必要な書類は以下の通りです。

・一般旅券発給申請書
・戸籍謄本(または戸籍抄本)
・住民票の写し
・写真
・現在所持しているパスポート

上記の書類についての詳細は外務省ホームページに記載されています。

参考)
外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_2.html

書類を用意したら、最寄りのパスポートセンターに行きパスポート発給申請を行います。

1-2. ビザ発給

パスポートの準備が整ったら、次に行う手続きはビザの発給申請です。具体的な進め方は以下の記事で解説していますので、そちらをご参照ください。

1-3. ビザの発給申請において押さえておくべき「公印確認」と「領事認証」

ここでは、ビザ発給のための申請書類の一部で必要となる、「公印確認」と「領事認証」に関する手続きについて説明します。

公印確認・領事認証は、ともに外国政府が自国に提出された書類の真偽を判断するために行う手続きです。ビザを発給する=自国への入国を認めるということなので、ビザ発給申請関連の書類の真偽を確かめることは外国政府にとって大変重要です。

特に公印確認はビザの発給手続き以外にも、日本国外での婚姻・離婚・出生・不動産購入に必要な手続きとなりますので、自身で手続き方法を知っておくと便利です。

ビザ発給時に必要な書類で公印確認が必要なのは外国人体格検査記録です。公印確認と領事認証、両方が必要な書類は卒業証明書と犯罪履歴証明書です。

公印確認のみ必要な場合はありますが、領事認証のみ必要な場合はあまりありません。

流れとしては、公印確認を受けた書類を日本にある各国の大使館・領事館が真偽を確認し、認証(=領事認証)を行う流れとなります。以下、取得の仕方を見ていきましょう。

1-3-1. 公印確認の取得

公印確認を取得するためには、外務省のホームページより申請書をダウンロードし記入したものと、公印確認を取得したい書類と返信用封筒を同封し外務省へ郵送します。東京近郊にお住まいの方は外務省本省に、大阪近郊にお住まいの方は大阪分室へ郵送しましょう。公印確認取得までは約1週間程度かかります。

参考)
外務省ホームページ 公印確認申請書ダウンロードページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000550.html

1-3-2. 領事認証の取得

公印確認を受けた後、領事認証を取得します。

領事認証は中国ビザ申請サービスセンターで取得することができます。申請前に準備するものがありますので、中国ビザ申請サービスセンターのホームページを確認しましょう。

参考)
中国ビザ申請サービスセンターホームページ
https://bio.visaforchina.org/TYO2_JP/howtogetavisa/stepbystepguidance(authentication)/281086.shtml

さらに、領事認証申請書を作成する必要があります。申請書も中国ビザ申請サービスセンターのホームページでダウンロードすることができます。

領事認証取得には1~2週間程度かかります。


2. 中国赴任に関する手続き 私的編

本項では、引っ越しなど私生活に関連する手続きを解説します。パスポートやビザ申請に比べ、細々とした手続きが多いですが、どれも重要なものです。赴任後の生活に直接関わるものも多いので、しっかりと手続き内容を把握しましょう。

2-1. 引っ越しに関連するもの

引越しに関連する手続きとしては、以下が挙げられます。

・引っ越し業者の手配
・海外赴任用保険加入

・引っ越し業者の手配
引っ越し業者の手配は、赴任日より3ヵ月前を目安に行いましょう。勤務先から決められた予算内で引っ越しを行う場合は、複数の引っ越し業者から見積もりを取って比較検討する時間も必要です。インターネット上の引っ越しの一括見積りサービスを利用するのもおすすめです。

中国赴任にあたっての準備事項については以下の記事でも解説していますので、そちらもご参照ください。

引っ越し業者を選ぶポイントは、予算の他にも「現地の情報にどれだけ通じているか」です。中国の税関情報や荷物規制に詳しい業者、中国に支店があり現地到着後も担当者が付いてくれる業者などを手配すると安心です。また、業者によっては税関通貨に必要な手続きや書類作成を代行してくれることもあります。

大手引っ越し業者の他にも、中国に支社や支店を持ち、中国への引っ越しに強みを持つ業者があります。

「日本海外引越協会(通称:JIMA)」は、海外引っ越しサービスを展開している業者が会員登録をしている一般社団法人です。こちらのサイトでは、大手引っ越し業者以外で中国に支社や支店を持つ引っ越し業者を見つけることができますので、参考にしてください。

参考)
日本海外引越協会(通称:JIMA)
http://www.jima-moving.com/official_members_list/

・海外赴任用保険加入
駐在保険とも呼ばれる、海外赴任者用保険には加入することをおすすめします。慣れない土地での暮らしでは体調を崩しやすくなりますし、家族を伴って赴任される場合は子供の体調不良時や妊娠・出産など現地の医療機関に関わることも多くなります。

中国の医療水準について

中国の医療水準ですが、NUMBEO(世界6000都市以上の医療・物価水準や犯罪率、環境汚染状況など生活に関わるあらゆる基準をデータベース化したサイト)が2020年に発表したものによると、47位となっています。調査対象は93ヵ国なので、世界的に見れば中盤の位置づけとなります。

 

中国都市部には外国人専用外来を併設している私立病院があります。外国人外来のある病院では日本と変わらない医療水準の治療を受けることができるようです。ただ、こうした病院の治療費は高額となります。

 

公立病院の治療費は比較的安価ですが、医療水準が低い傾向にあるようです。特に地方の公立病院は医療水準が低いとされているようです。

病院を選ぶ際は、医療水準や備わっている医療設備の確認も大切ですが、何より大切なことは「日本語が通じること」です。自身の病状を的確に医師に伝えることができ、今後の医療方針をきちんと自身が把握できることが重要となります。

海外赴任者用保険には、医療通訳が現地でサポートしてくれるものもあります。中国語に自信のない方はこうした保険を選ぶと安心です。

また、海外では歯科治療は必須医療行為でないという認識が主流です。そのため、歯科が社会保険適用外である場合が多いです。歯科治療費をカバーできる保険を選びましょう。

現地でトラブルに巻き込まれた際の賠償責任保険に加入することも大切です。住居内の盗難(空き巣など)や火事に見舞われないという保証はありません。

医療・損害、どちらも広くカバーする保険に加入して、中国生活に備えましょう。

中国での社会保険加入について

2011年7月1日、中国では「社会保険法」が施行されました。この法令の施行により、中国で就労する外国人も社会保険加入の対象となりました。しかし、日本と中国の2ヵ国で社会保険加入した場合、保険料の二重支払い・掛け捨て金発生などの問題が生じることとなりました。

 

そのため、2019年5月16日、「社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定」の効力発生のための外交上の公文の交換が行われ、同年9月1日よりこの協定の効力が発生しています。

 

この協定の規定によると、派遣期間が5年以内の駐在員は、原則として日本の年金制度にのみ加入することとなります。

 

5年以上の任期がある方は中国でも社会保険に加入する義務が発生します。保険料は勤務先が支払う場合が多いと思いますので、確認しましょう。

2-2. 金銭に関連するもの

金銭に関連する手続きとしては、以下が挙げられます。

・銀聯カード発行手続き
・アプリ決済準備

・銀聯カード発行手続き
中国で生活するために欠かせないのが「銀聯(ぎんれん)カード」です。中国国内で最も流通しているカードですので、ぜひ発行しましょう。銀聯カードは日本在住でも発行することができるので、赴任前に発行手続きを行うことをおすすめします。

銀聯カード発行手続きについては以下の記事で解説していますので、そちらをご参照ください。

・アプリ決済準備
中国ではアプリ決済が盛んに行われています。特に「支付宝(アリペイ)」、「微信支付(WeChatペイ)」の2つのアプリ決済が主流です。

アリペイは、中国の大手IT企業「アリババ・グループ」が提供するアプリ決済サービスです。中国版Amazonといわれる「タオバオワン」の公式決済システムとして誕生し、中国で使えない店はないといわれるほど普及しています。

中国の銀行口座がなくても、日本で発行したクレジットカードを紐づけることができます。

アリペイのインストール方法は下記の通りです。

1. 「Google Play」「Apple Store」のどちらかからアプリをインストールします。
2. アカウント情報を入力します。電話番号を入力する際は「+81」をつけ、国番号に変更しましょう。
3. 銀行口座を紐づけます。
4. 本人確認情報の入力を行います。

WeChatペイは中国版LINEといわれる「WeChat」に付随している決済サービスです。アリババ・グループに並ぶ大手IT企業「テンセント」が提供しています。
こちらはアプリと銀行口座を紐づけて決済するアプリとなるため、中国国内の銀行口座が必要となります。

アプリのインストール自体は日本にいながらもできるので、インストールしておくと便利です。インストール方法は下記の通りです。

1. 「Google Play」「Apple Store」のどちらかからアプリをインストールします。
2. 「電話番号で登録する」を選択し、アカウントを作成します。

中国国内の銀行口座を開設した後、行う手続きは下記の通りです。

1. アプリ内の「Wallet」のページ右上にある「Cards」をタップします。
2. 開設した口座のキャッシュカード情報を入力します。

中国で生活するにあたり、上記2つのアプリがあれば、現金を持ち歩く必要がないとまで言われています。ぜひ活用してください。

2-3. VPN契約

中国国内では政府が行う「金盾プロジェクト」の一環で、厳しいインターネット規制が敷かれています。「グレートファイヤーウォール(GFW)」と呼ばれる壁をインターネット上に張り巡らせ、国民が自由にインターネットサイトを閲覧できないようにしています。

中国で閲覧できない主なインターネットサイトは下記です。

・LINE
・Twitter
・Instagram
・Facebook
・Google
・DropBox
・YouTube
・Yahoo

日本で暮らしていると毎日のように閲覧するサイトばかりです。これらのサイトが利用できないと、不便に感じる方も多いと思います。

そこで必要になるのが「VPN(Virtual Private Network)」です。VPNとは、自分専用のインターネット回線を作るもので、もともとセキュリティ対策商品として市場に出回っていました。

しかし、中国のようにインターネット規制が敷かれている国では、セキュリティ対策としてというよりも、政府の監視の目をすり抜けてインターネットサイトを閲覧するツールとして利用されています。

VPNには、自身のパソコンに直接ソフトウェアをインストールするものと、ルーターを設置するものがあります。直接インストールするタイプは、中国到着後すぐに使用できるので便利です。

注意すべきは、VPNを契約すれば中国で自由にインターネットが使用できるとは限らないということです。中国政府は年々VPN規制を厳しくしており、有料・無料にかかわらず多くのVPNが使用できなくなっている状態です。

また、使用制限するVPNは予め政府が公表することなく、ある日突然使用できなくなります。昨日まで使用できていたのに今日から使用できないという事態はよくあるようです。

そうした事態を避けるためにも、複数のVPNを契約しておくことをおすすめします。また、VPNを契約する前に、そのVPNが中国国内で使用できるか確認することも大切です。


3. 中国赴任後に行う手続き

本項では、中国に到着後に行う手続きについてご紹介します。然るべき手続きを行わないとオーバーステイとなって罰金を科せられたり、就労できなくなったりと法的な影響を受ける事態となる場合があります。

入国後に行うべき手続きをきちんと把握して、快適な中国生活をスタートさせましょう。

3-1. 臨時宿泊登記

中国到着後、24時間以内に行う必要がある手続きです。こちらを行わないと罰金が科せられる可能性があります。

手続き自体は、宿泊するホテルのフロントにパスポートを提出するだけです。その後の手続きはホテル側が代行してくれます。念のため、宿泊予約をする際に臨時宿泊登記を代行してくれるかホテル側に確認するとより安心です。

また、こうした代行サービスがないホテルや中国国内の友人宅、民泊施設に宿泊する際は、下記の書類を最寄りの警察署か派出所に提出し、手続きを行います。

・宿泊者本人のパスポート
・宿泊先の中国人の戸口簿・身分証、外国人の場合はパスポートまたは居留証
・本人又は宿泊先の人のアパートの契約書、住む家の登記簿など(こちらの書類に関しては警察署や派出所の方の指示に従ってください。)

手続きの際は、宿泊先の現地の方に帯同してもらうとよりスムーズに手続きが行えるでしょう。

3-2. 外国人就業証申請

Zビザを取得して入国した際に必要な手続きです。入国後2週間以内に行う必要があります。申請を行うのは雇用企業側ですので、勤務先に必要書類を確認し指示されたものを準備しましょう。

3-3. 外国人居留許可証申請

Zビザ、S1ビザを取得して入国した際に必要な手続きです。入国後30日以内に手続きを行わないとオーバーステイとなり罰金が科される場合がありますので注意してください。外国人就業証申請は雇用企業側が手続きを行いますが、こちらの手続きは自身で最寄りの公安局に行き、申請を行います。

必要書類は地域ごとに異なりますので、申請先の公安局と勤務先に確認しましょう。

3-4. 銀行口座開設

中国ではアプリ決済が主流だと先ほど述べましたが、そのアプリ決済に必要なのが中国国内での銀行口座開設です。口座開設に必要な書類は下記です。

・パスポート
・外国人居留許可証もしくはビザ
・中国国内で使用できる電話番号
・マイナンバー
・現住所が確認できる書類(賃貸契約書など)
・現金(口座開設手数料が発生する場合があります)

ここに挙げた一部の書類だけで、意外と簡単に口座開設ができる場合もあるようですが、念頭に置いておくべきことは、「中国で外国人が銀行口座を開設することは年々難しくなってきている」ということです。

経済成長が著しい中国では、近年、金融犯罪件数が増加傾向にあります。そのため、金融犯罪防止の規制強化が行われることとなりました。それにより、外国人の銀行口座開設も難しくなっているのが現状です。

上記のことを踏まえて、銀行口座を開設する前には、銀行に必要書類と自分が口座を開設できるかどうかを確認しておくと安心です。ちなみに中国におけるメガバンクは、中国工商銀行・中国銀行・中国建設銀行・中国農業銀行の4行です。


4. 中国赴任に関する手続き一覧表

上記に挙げた手続を一覧表にまとめました。参考情報もメモしてありますので、ぜひご利用ください。

※画像をクリックするとエクセルファイルをダウンロードできます。手続き一覧表


5. まとめ

本稿では、中国赴任に関する手続きについてご紹介しました。

公的な手続きは下記の通りです。
・パスポート申請
・ビザ発給

私的な手続きは下記の通りです。
・引っ越し業者の手配
・海外赴任用保険加入
・銀聯カード発行手続き
・アプリ決済準備
・VPN契約

中国赴任後に行う手続きは下記です。
・臨時宿泊登記
・外国人就業証申請
・外国人居留許可証申請
・銀行口座開設

それぞれの手続きには準備すべき書類があり、複雑な手順のものもあります。また、個人で行うべきものや勤務先と連携して行う手続きもあります。その一つ一つの手続きは中国赴任のために欠かせないものです。

複雑で煩雑な手続きを経て、自分が中国へ派遣されると考えると、自分に課せられた職責の重みを一層実感できることと思います。

ぜひ本稿を中国赴任の際にお役立てください。

 

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