おすすめ記事

中国で使えるおすすめVPN コスト・速度・安定性でみる優秀トップ5

中国ビジネスライフのインターネット検閲対策入門[代替ツール案付]

「インターネット検閲なんて本当にあるのかな?」

「検閲」と聞いても、いまひとつピンとこない方は多いかもしれません。

しかし、実際のところ中国ではインターネットの接続自体に問題はなくても、中国政府によって常に監視されており、問題があると判断されれば接続がブロックされます。

それは、当局によるインターネット検閲システム(グレートファイアウォール)によって、規制がかかっているからです。

そこで、本稿では中国のインターネット事情を簡単にご紹介するとともに、「どのようなWebサービスが利用できないのか(検閲の対象)」と「インターネット検閲システムの影響を受けないためには何をすべきか(検閲への対策)」を具体的に取り上げました。

さらに、中国独自の代替Webサービスもご紹介しています。

今や日々の暮らしやビジネスに欠かせないインターネット。その現地事情を理解することは、中国の社会を理解することにつながります。

本稿があなたの中国ビジネスの一助になれば幸いです。


1. 中国のインターネット環境は、日本以上に整備されている

かつての中国では、インターネットの環境整備が行き届いておらず、インターネットに接続できる場所があまりない、という状況も見られました。

しかし、今では都市部の現地オフィス等で仕事を進める上では、全く問題なく快適にインターネットに接続できる状況になっています。

オフィス以外でも、空港やホテル、カフェなど、中国の都市部には無料Wi-Fiが利用できる場所が数多くあります。また、地下鉄やバス、タクシーなどの公共交通機関でも、無料でWi-Fiにつなぐことができる場合があります。

全国的な統計を見ると、2017年6月時点での中国のインターネット利用者数は7億5,000万人で、インターネットの普及率は54.3%でした。

しかし、2020年6月時点では、それぞれ9億4,000万人・67.0%に達しており、その後も年々上昇しています。

図)インターネット利用者数及び普及率

引用元:JETRO「2020年上半期のインターネット普及率は67%」添付資料,2020年10月6日, https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=30849760 (閲覧日:2021年3月19日)

第5世代移動通信システム(5G)の商用サービスについては、中国では2019年11月から開始しています[1]。対して日本は2020年3月末に商用サービスを開始しており、最新のインターネット環境の整備についても、中国の方が一歩先を進んでいる状況です。

[1]JETRO「中国で蓄積が進む5Gの活用事例(ユースケース)」,2020713日,https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/1155124d9beb3a88.html(閲覧日:2021413日)


2. ビジネスへの影響必至!中国のインターネット検閲システム

中国赴任において注意したいのが、「インターネット環境の整備が整っている=日本と同じようにインターネットが使える」わけではない、という点です。

中国にはグレートファイアウォールというインターネット検閲システムが導入されており、政府に問題があると判断がされたWebサービスへの接続はブロックされる仕組みになっています。

日本で使っているサイトに接続できないと、本社への連絡やクライアントとのやり取りにも支障が出てしまいます。

中国でビジネスを成功させるには、どのようなWebサービスにアクセスできないのかを知り、検閲システムの影響を受けない方法を把握しておく必要があります。

グレートファイアウォールとは?

 

グレートファイアウォールとは、中国政府のネット検閲システムのことです。当局がインターネット上の情報を監視しており、政府に問題があると判断されたWebサービスはすべて遮断されます。

 

具体的には、中国政府に対して不利益になると判断される情報やアダルトサイト、FacebookやYouTubeのような世界中で使われているSNSや動画サイトにアクセスできません。

2-1. [検閲の対象]中国でアクセスできない代表的なWebサービス一覧

具体的にどのようなWebサービスにアクセスできないのか、ビジネスとプライベートに分けて解説します。

中国でアクセスが禁止されている代表的なWebサービス
(2021年3月16日時点)

ビジネスへの影響が懸念されるもの
・Google
・Yahoo!検索
・Dropbox

プライベートでの影響が懸念されるもの
・YouTube
・Facebook
・LINE
・Twitter
・Instagram

・Google (https://www.google.co.jp/)
ビジネスパーソンにとって最も影響が大きいと考えられるのが、Googleにアクセスできないことです。中国では、Googleが提供する以下のWebサービスを利用することができません。

・Google検索
・Googleドライブ
・Googleマップ
・Googleカレンダー
・Gmail

普段、Googleカレンダーでスケジュールを共有していたり、Googleドライブで社内資料を保管している方は、何らかの対策が必要です。

Google ChromeやGoogle翻訳については、現時点(2021年4月)ではアクセスが可能です。

・Yahoo!検索 (https://www.yahoo.co.jp/)
Yahooに関しては、検索サイトのみがブロックされており、YahooニュースやYahoo地図は、日本と同じようにアクセスして利用できます。

・Dropbox (https://www.dropbox.com/)
Dropboxを使って、社内やクライアントとファイルを共有することができません。

・YouTube (https://www.youtube.com/)
お気に入りのユーチューバーがいたり、好きな曲を聴いたりと、YouTubeがすでに生活の一部になっている方もいるかもしれませんが、中国ではアクセスできません。

・Facebookhttps://www.facebook.com/
Facebookで公式ページを設置したり、Facebookを使った広報や広告活動を行っている企業もありますが、中国ではFacebookでの投稿や閲覧ができません。

・LINEhttps://line.me/ja/
・Twitter (https://twitter.com/)
・Instagram (https://www.instagram.com/)
Facebookと同じく、LINEやTwitter、InstagramのようなSNSも検閲対象になっており、アクセスすることはできません。

このように、日本で普段使っているWebサービスを、中国では使用することができないのが現状です。ご紹介したもの以外にも、当局の規制対象になっているWebサービスは数多くあります。

また、中国国内の状況に応じて、突如アクセスが禁止される可能性もあります。

中国で利用予定のWebサービスがあれば、規制対象になっていないか、渡航前にご自身で確認されることをお勧めします。

規制対象かどうかを調べる方法(2021年4月6日現在)

 

利用したいWebサービスが規制対象になっているのかどうかを確認したい時は、以下でチェックできます。

 

comparitech「Test if a site is blocked in China」
https://www.comparitech.com/privacy-security-tools/blockedinchina/

 

使い方はとても簡単です。利用したいと思っているWebサイトのURLをボックスに入れて、「Check」を押すだけです。

 

ビジネスで利用しているWebサービスやお気に入りのSNSなどがあれば、事前に確認しておきましょう。


3. [検閲への対策]インターネット検閲の対策にはVPNが有効

「VPNがあれば、中国でもインターネットが使えると聞いたけど、VPNって何?」

日本国内ではVPNを使う機会はあまりないので、このように感じている人も多いかもしれません。

VPNとは、バーチャルプライベートネットワーク(Virtual Private Network)のことで、「仮想ネットワーク空間」という意味があります。

本来は、VPNはデータの改ざんや盗み見などのセキュリティリスクを減らす「ネットセキュリティ対策の一環」として使われています。

しかし中国では、通常中国国内では接続できないWebサービスにアクセスする方法として利用されています。

VPNを利用すれば、GoogleやFacebook、YouTubeなどにもアクセスできるので、日本と同じインターネット環境を構築できます。

近々中国に赴任することが決まっているのであれば、早い段階でVPNの利用を検討すると良いでしょう。

中国国内でもVPNを使う若者が増加

 

中国でVPNを使うのは海外からのビジネスパーソンだけではありません。中国国内の若者たちもVPNを利用しています。

 

例えば、大学の研究資料を探し論文を仕上げるために、日本やヨーロッパのWebサイトから情報を収集するべく、VPNを活用しています。

 

また、海外の動画を見るために、VPNを使ってYouTubeを見る若者もいます。

 

中国国内でも、グローバルな情報を収集するためにVPNを利用している人がいるくらいなのです。日本のビジネスパーソンにとってGoogleやDropbox、Yahoo!検索は、重要なWebサービスですから、中国に赴任する人にとって、VPNの事前準備は欠かせないと言えます。


4. [検閲への対策]中国独自の代替Webサービス

中国赴任に向けてVPNを準備しても、検閲の関係で突如使えなくなる可能性があります。そのような時は、中国独自の代替ツールを使うことになります。

非常時だけではなく、普段からこれらの代替ツールを使いこなすことができれば、中国国内の情報を入手しやすくなりますし、中国人とのコミュニケーションがスムーズになります。

ここでは、ビジネスとプライベートに分けて代替Webサービスをご紹介します。

4-1. ビジネスに役立つ、中国の代替Webサービス

以下が、代表的な代替Webサービスです。

・「Baidu」「Bing」→「Google」の代替
・「WeChat」→「LINE」の代替

・Baidu (http://www.baidu.com/)
Baiduは百度公司が運営する中国最大級の検索エンジンです。中国語では「百度」と書き、「バイドゥ」と読みます。

中国国内最大のシェアを誇っており、Googleの代替ツールとして利用できます。

図)Baiduのホーム画面
引用元:Baidu, http://www.baidu.com/ (閲覧日:2021年4月5日)

Baiduには、検索機能、機械翻訳、ニュース、地図機能だけでなく、Facebookのように情報を交換できるSNS機能もあります。

・Binghttps://www.bing.com/
中国国内で使える検索エンジンには、Bingもあります。

こちらはアメリカのMicrosoft社が運営する検索エンジンで、「国内版」と「国際版」に切り替えができるようになっており、中国赴任者にも使い勝手の良いWebサービスです。

・WeChat (https://www.wechat.com/)
WeChatは中国版LINEとも呼ばれているインスタントメッセンジャーです。

LINEの代替は元より、中国では名刺代わりになるほどビジネスシーンでのWeChatの利用が浸透しているので、Gmail等のWebサービスの代替にもなり得ます。

WeChatには、LINEの機能である「タイムライン」に似た「モーメンツ」というものがあり、写真やテキストの投稿ができるSNS機能があります。

さらに、生活に便利なキャッシュレス決済機能もあるので、中国赴任には欠かせないツールとなります。

図)WeChatの画面

4-2. プライベートで楽しめる、中国の代替Webサービス

以下が、代表的なWebサービスです。

・「iQIYI」「Tencent Video」「youku」「bilibili」→「YouTube」の代替

・iQIYI https://www.iqiyi.com/
・Tencent Videohttps://v.qq.com/
・Youku (https://youku.com/)
iQiyi、Tencent Video、Youkuはいずれも中国を代表する動画配信サービスであり、YouTubeの代替として利用できます。いずれも日本語で検索をしたり、日本語コンテンツの視聴をすることも可能です。

iQIYIは中国語で「爱奇艺」と書き、アイチーイーと読みます。「中国版Netflix」と呼ばれています。

Tencent Videoは中国語で「腾讯视频」と書き、トンシュンシーピンと読みます。

Youkuは中国語では「优酷视频」と書き、ヨウクシ―ピンと読みます。Youkuはかつて「中国版YouTube」と呼ばれ、絶大なシェアを誇っていましたが、最近ではシェア率が低迷しています。

各サービスにおいては、通常会員でも動画を閲覧できますが、有料会員になればより幅広い動画を見ることができます。

・bilibili (https://www.bilibili.com/
bilibiliは中国語で「哔哩哔哩」と書き、ビリビリと読みます。日本のWebサービスにあてはめると、「中国版ニコニコ動画」と呼べる動画共有サイトで、日本のコンテンツも視聴することが可能です。

この章では、Google、LINE、YouTubeの代替ツールをいくつかご紹介しましたが、他にも中国独自のWebサービスは数多くあります。

中国の現地従業員や中国人のクライアントは、通常中国のWebサービスを使っています。彼らとコミュニケーションを図り、個人的な関係を築くためにも、中国のWebサービスに通じておくと良いでしょう。

無料eBook
『中国赴任準備はこれで完璧!』赴任準備マニュアル

赴任3ヵ月前の準備や手続きから、現地での生活情報や中国独特のビジネスマナーまで完全網羅。

以下の内容を収録し、71ページにわたり解説しています。

  • 中国ってどんな国?
  • 赴任決定!具体的な準備を知りたい!
  • いざ引っ越し!何を持って行けばいい?
  • 現地到着!必要な手続きを確認
  • 中国ライフってどんなイメージ?
  • 文化の違いを認識することが中国ビジネスライフの第一歩!
  • 旅のおわりに
  • 付録:準備に使える資料・Zビザ手続きの全貌

ぜひお手元に置き、これから中国に赴任される方にとって役に立つ一冊になれば幸いです。

プライバシーポリシーをご確認いただき「個人情報の取り扱いについて」へご同意の上、「eBookをダウンロードする」ボタンを押してください。


5. まとめ

今回は中国のインターネット事情についてご紹介しました。中国のインターネット環境の整備は非常に進んでおり、都市部のオフィスでのインターネット環境に問題がないだけではなく、空港やホテル、地下鉄やバス、タクシーなどでも無料でWi-Fiにつなぐことができます。

しかし、中国にはグレートファイアウォールというインターネット検閲システムがあるので、日本で普段利用しているWebサービスの一部は利用できません。中国からアクセスできない主なWebサービスは以下の通りです。

・Google
・Yahoo!検索
・Dropbox
・YouTube
・Facebook
・LINE
・Twitter
・Instagram

特に、GoogleやYahoo!検索はビジネスシーンで利用することが多いので、中国赴任者は対策を講じる必要があります。

対策の一つはVPNを利用することです。VPNを利用すれば、ネット検閲システムの影響を受けることなく、日本と同じように慣れ親しんだWebサービスにアクセスできます。

VPNが使えなくなった時などは、中国独自の代替ツールを使ってみましょう。中国で使える代表的な代替ツールには、以下のものがあります。

・「Baidu」「Bing」→「Google」の代替
・「WeChat」→「LINE」の代替
・「iQIYI」「Tencent Video」「youku」「bilibili」→「YouTube」の代替

中国のインターネット普及率は年々増加しており、今後、中国のインターネット環境はさらに整備されていくでしょう。

しかし、中国赴任者にとって、中国政府が実施しているインターネット検閲システムはビジネスに大きな影響を与えるものです。

VPNの利用や代替ツールの利用などの対策を取り、中国でのビジネスの成功につなげてください。

 

参考)
土橋喜「中国のインターネット利用者数と普及率の変化」, https://core.ac.uk/reader/268143950 (閲覧日2021年3月19日)
ソーシャルワイヤー株式会社「Insta lab」『最新Excel配布中日本・世界のSNSユーザー数まとめ』, https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/#Twitter (閲覧日2021年3月18日)
アライドアーキテクツ株式会社「中国マーケティングラボ」『海外SNSブロックは「建前」YouTubeを普通に見ている20代の中国人』, https://monipla.com/china-smmlab/page/china_sns_vpn (閲覧日:2021年3月19日)

【中国赴任者向けメールマガジン】
現地の教育事情や生活のお役立ち情報などをお届け

ライトワークスでは、中国赴任者・赴任予定者・出張者など中国ビジネスに関わる方向けに、
「明日から組織に使えるtips」をテーマとして、中国現地の教育事情や生活のお役立ち情報など
定期的にメルマガ配信を行っています。

プライバシーポリシーをご確認いただき「個人情報の取り扱いについて」へご同意の上、「メルマガ登録」ボタンを押してください。

コメント