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ブラック企業とは 不当な残業にパワハラ…法律違反も含む7つの特徴 

ブラック企業とは、長時間労働やハラスメント行為によって従業員の心身に過重な負担を強いながら、それを改善しない企業のことです

「ブラック企業」という言葉は、インターネット上で誕生した俗語ですが、若者の雇用環境悪化を背景に広く浸透しました。
しかし、「従業員を酷使し、最後は使い捨ての会社」「上司の罵倒や暴言は当たり前の職場」というように、イメージが先行し、「ブラック企業」という言葉が濫用されている感もなくはありません。

本稿では、ブラック企業とは何か、これらの企業の特徴やブラック企業にならないためにはどうしたらよいかを考えます。

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1. ブラック企業とは

ブラック企業とは、極端な長時間労働やパワーハラスメント(パワハラ)などが横行する劣悪な職場環境で従業員を酷使し、従業員の心身に過重な負担を強いながらそれを改善しない企業のことです。また、そのために離職率も高く、過労にともなう問題などが起きやすい企業を指します。

厚生労働省では、ブラック企業という言葉は用いず、「若者の『使い捨て』が疑われる企業等」としていますが、一般的な特徴として以下を挙げています。

① 労働者に対して不当な長時間労働やノルマを課す
② サービス残業やパワーハラスメントが横行し、コンプライアンス意識が低い
③ このような状況において労働者に対し過度の選別を行う

ここでの「選別」とは、必要ないと思った従業員をパワハラや社内いじめで自主退職に追い込むことです。

>>パワハラについては、「パワハラとは 職場環境を悪化させる6つの行動はあなたも無関係ではない?」を参照ください。


2. ブラック企業の特徴

では、具体的にどのような行為や事象がブラック企業と呼ばれるのでしょうか。

2-1. 残業が多い

従業員に残業をさせる場合は、労使間で36協定を締結する必要があります。また、36協定を締結している場合であっても、特別条項付き協定を結ばない限り、企業は「1週間15時間、1カ月45時間、1年間360時間」を超えて労働させることはできません。36協定を締結してない、上限を超えて残業させている場合は法律違反です。

なお、厚生労働省は月80時間を「過労死ライン」の基準としています。月20日勤務の場合、1日当たり4時間。18時が終業時刻であれば、22時までです。このような残業が常態化している企業は大いに問題です。

>>36協定については、「36協定とは「違法な長時間労働」は働き方改革でなくせるか?」を参照ください。

2-2. 残業代が支払われていない

従業員に先にタイムカードを押させ記録上は定時退社させたようにみせかけて実際は残業させた、仕事を持ち帰らせるなど悪質な場合があります。
残業時間が限度内に収まっていても残業代が支払われていなければ、法律違反です。

2-3. 離職率が高い

一般的に、入社後3年以内の離職率が3割を超えているかが一つの目安と言われています。
厚生労働省は、新卒採用をする企業に対して離職率の公表や求人票への記載を求めています。離職率の高さとともに平均勤続年数が低い企業は、従業員の入れ替わりが激しく、職場環境に問題があると考えられます。

2-4. 社員の男女比や年齢層が偏っている

極端に女性が少ない場合、「セクシュアルハラスメント(セクハラ)」や「マタニティハラスメント(マタハラ)」が横行していると認識されかねません。また、若い従業員の層が他の年齢層に比べて薄いような場合、若手が「使い捨て」されている可能性も大いに考えられます。

2-5. 有給休暇消化率が低い

有給休暇が取りづらい、申請しても却下されるような場合です。
有給休暇は、労働基準法に定められた労働者の権利のため、従業員に有給休暇を取得させないのは法律違反です。また取得の際に、従業員が理由を上司に報告したり、許可を得る必要はありません。

2-6. 人事評価制度が整っていない

ブラック企業では従業員を不当に扱う傾向があります。これはきちんとした評価の制度が整っていないために、独断的な判断やその時の実績のみで足切りをしてしまうためです。
昇給や昇格はもちろん、日々の人事評価の制度が従業員に説明できるレベルになっていないことは問題です。

2-7. パワハラやセクハラがまかり通っている

労働契約法第5条や男女雇用機会均等法11条には、職場環境の安全配慮義務が定められています。したがって、職場でパワハラやセクハラ、マタハラなどのハラスメント行為があるにも関わらず、企業が対処しなかった場合は義務違反として問われることになります。

ここには、若い人材をじっくり時間をかけて育成するという思想がありません。悪質な場合、初めから長期雇用する意思はなく、働かせるだけ働かせて自主退職に追い込む「使い捨て」や「使い潰し」が当然のごとく起きています。


3. 何が悪いのか

ここで、ブラック企業であることは何が悪いのか、整理してみましょう。

3-1. 法律違反

上限を超える残業や賃金の未払い、有給休暇を取得させないなどの行為、ハラスメント行為は法律違反です。

3-2. 過労死の温床

ブラック企業では、「過労死ライン」と言われる、月80時間超の残業が常態化している傾向があります。過重な長時間労働は、過労死や過労自殺という事態を引き起こします。

3-3. メンタル不調、うつ病や精神障害などの引き金

不当な長時間労働や過度なノルマ、パワハラなどでメンタル不調を陥り、うつ病や精神障害を発症することもあります。

従業員の心身に多大な影響を及ぼし、最悪の場合、過労死や自殺といった事態を引き起こすことは、企業の姿勢が問われるだけでなく、「基本的人権の尊重」という観点からも許されるべきではありません。


4. ブラック企業にならないために

意図的な場合は論外として、法律を知らなかったがゆえにブラック企業と呼ばれてしまう場合もあり得ます。そうならないためには、どうすればよいのでしょうか。

4-1. コンプライアンスの徹底

企業全体として、コンプライアンス(法令遵守)を徹底することです。
労働基準法などの法律に違反しないことだけでなく、雇用契約書の作成や就業規則などを整えることも重要です。

4-2. 適切な教育の実施

ハラスメント行為や労働法の教育を実施することでコンプライアンスへの意識が高まり、問題の未然防止や、問題が起きた場合でも適正な対処ができるような体制が整えられます。

4-3. 外部の機関への相談・連携

従業員が声を上げ、問題点を改善していくことは現実的には難しいことです。社会保険労務士や弁護士などの外部機関に相談することも有効な手段です。

コンプライアンス意識とそれを高めるための教育を両輪として企業に浸透させることが企業をブラック企業化させない鍵です。企業間競争の厳しさを従業員にスライドさせないような倫理観も大切なことです。

>>コンプライアンスに関する記事は「コンプライアンス対策のすべて」を参照ください。


5. まとめ

ブラック企業とは、極端な長時間労働やパワハラなどが横行する劣悪な職場環境で従業員を酷使し、従業員の心身に過重な負担を強いながらそれを改善しない企業のことです。また、そのために離職率も高く、過労にともなう問題などが起きやすい企業を指します。

一般的な特徴として、次の3点が挙げられています。
① 労働者に対して不当な長時間労働やノルマを課す
② サービス残業やパワーハラスメントが横行し、コンプライアンス意識が低い
③ このような状況において労働者に対し過度の選別を行う

ブラック企業の問題点として主に以下のことが考えられます。
① 法律違反
② 過労死の温床
③ メンタル不調、うつ病や精神障害などの引き金

このような事態にならないために、企業としてはどのようなことを心がければよいのでしょうか。
・コンプライアンスの徹底
・適切な教育の実施
・外部の機関への相談・連携

「ブラック企業」という言葉はIT業界の、急成長する企業で働く若者たちの中で生まれました。外食や小売り、介護など、労働集約型のサービス業に多い傾向がありますが、今やブラック企業は個々の企業や個人の問題ではありません。使い捨てや使い潰しによって心身の健康を損なった「働けない」若者が増加することは、生産性を低下させ経済にも悪影響を及ぼします。

まずは自社がブラック企業とならないために、職場環境を見直すことが予防の第一歩でしょう。コンプライアンスの徹底に向けて教育体制を整えることも重要です。

参考)
労働問題弁護士ナビ 「今すぐチェック!ブラック企業の10の特徴と見抜く方法」
https://roudou-pro.com/columns/57/
ハタラクエスト 「【弁護士が解説】ひと目でわかるブラック企業の特徴12個と対処法」
https://hataraquest.com/black-company-characteristic
お金のカタチ「ホワイト企業とブラック企業の違いって?特徴や見分け方は?」
https://venture-finance.jp/archives/7551

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