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独占禁止法 事例に学ぶリニエンシー(課徴金減免制度)活用のポイント

「リニエンシー」という言葉をご存知でしょうか。

最近の話題で言うと、リニア中央新幹線の建設工事を巡る入札談合事件において、談合に参加した大林組が、違反を公正取引委員会に自主申告することにより、課徴金の減免措置を受けられるか否かが注目されています。

リニエンシーとは、カルテルや談合に参加した企業であっても、自主申告により課徴金が減免される制度のことです。リニア談合の事例では、大林組が、リニエンシーの適用を受けられるか否かが注目されていると報道されています。

参考)
リニア談合 大林、違反「自主申告」へ 課徴金減免求め
https://mainichi.jp/articles/20171221/k00/00m/040/110000c

 

公取委 課徴金「自首すれば罪一等…」減免制度を拡大へ:毎日新聞(2017年3月25日)
https://mainichi.jp/articles/20170325/k00/00e/040/227000c

年間およそ200社が倒産!会社をつぶさないためのコンプライアンス入門」でご紹介したように、独占禁止法違反である価格カルテル事件においては、違反企業に対して、多額の制裁金と共に、社員が逮捕され有罪判決を受けた例があります。

欧州では、日欧の自動車部品メーカー5社によるカルテルについて、合計で約186億円の制裁金が科されました。日本企業4社も参加したとして独禁法違反に認定されましたが、このうちパナソニックは最初に通報したため、制裁金を免れたことが報道されています。

参考)
欧州委、日欧の自動車部品5社に制裁金 カルテル関与:日本経済新聞(2017年3月8日)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08I7H_Y7A300C1TJC000/

価格カルテルや談合は、独占禁止法の違法行為です。

違法行為をはたらいても課徴金が減免される「リニエンシー」とは、どのような制度なのでしょうか。また、企業の経営やコンプライアンスにどのような影響を与えるのでしょうか。

今回は、リニエンシーの仕組みを説明するとともに、日本と海外の事例をあげながら、制度を活かした独占禁止法コンプライアンスの取り組みについてご紹介します。

国内、海外の法人営業を担当する皆さん、コンプライアンスの法律相談や社内審査を担当する人事、法務部門の皆さんは、独占禁止法の実務知識としてぜひ参考にしてください。


1. リニエンシー(課徴金減免制度)とは

まずは、リニエンシーとはどのような制度か、詳しくみていきましょう。

1-1. リニエンシーの仕組みと効果

公正取引委員会は、リニエンシーについて次のように説明しています。

事業者が自ら関与したカルテル、入札談合について、その違反内容を公正取引委員会に自主的に報告した場合、課徴金が減免される制度です。公正取引委員会が調査を開始する前に他の事業者よりも早期に報告すれば、課徴金の減額率が大きくなる仕組みとなっており、公正取引委員会の調査開始日前と調査開始日以降とで合わせて最大5社(ただし調査開始日以降は最大3社)に適用されます。事業者自らがその違反内容を報告し、更に資料を提出することにより、カルテル・入札談合の発見、解決を容易化して、競争秩序を早期に回復することを目的としています。”[1]

さらにこの制度には、次のような条件と特徴があります。

① 制度の対象は、カルテルと入札談合である。
② 自主申告を行なう必要がある。
② 早期に自主申告するほど、課徴金が減免される比率が高くなる。

つまり、事前にできるだけ早く自主的に申告することにより、独占禁止法の違反であるカルテル・入札談合に対する企業のダメージを軽減することができるのです。


(図表)申請順位と減額率[2]

リニエンシーは2006年に導入され、その後自主申告する企業は増えています。
最近の傾向としては、次のように報道されています。

“制度スタート当初は運用企業数は3社だったが、10年の制度見直しで5社に拡大された。申請件数は16年3月までの約10年間で938件、課徴金が減免されたのは計264社。申し出があった場合だけ申請企業を公表していがが、156月の申請分からは全企業名を公表しており、公取委幹部は「順調に定着してきた」としている。”[3]

公正取引委員会が公表している資料によると、2016年には合計9件、延べ28社が自主申告しています。前述の報道によると、利用できる企業数や申請期限の延長、有力な証拠を提出した企業の課徴金の減免、調査を妨害した企業に加算する制度が検討されており、今後、さらに拡大すると思われます。

参考)
平成28年 課徴金減免制度の適用事業者一覧(公正取引委員会)
http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/kouhyou/itiran28.html

独占禁止法の違反には、課徴金を科されるほか、犯罪行為として懲役や罰金などの刑事罰を受ける場合があります。カルテルと入札談合では、違反者個人が刑事罰を受けることもあります。それでは、リニエンシーを行った場合、個人が受ける刑事罰にはどのような影響があるのでしょうか。

刑事罰とリニエンシー制度の関係について、国内外の競争法に詳しい井上朗弁護士は次のようにコメントしています。

課徴金の免除を受ける場合には、刑事告発の対象とならないが、課徴金の減額を受けたにとどまる場合には、刑事告発の対象となり得る。課徴金減免を受けながら刑事訴追をされた場合、課徴金の減額申請をした事実は、刑事裁判の量刑に反映される可能性がある。”[4]

参考)
知ってなっとく独占禁止法、罰則、P19(公正取引委員会)
http://www.jftc.go.jp/houdou/panfu.files/dokkinpamph.pdf

従って、リニエンシーにより自主申告することにより、法人が受ける課徴金を減免できると共に、違反者個人が受ける刑事罰についても、量刑を軽減できる可能性があるのです。

1-2. 自主申告の仕方

次に、リニエンシーの申告手続きについてご紹介します。リニエンシーは、独占禁止法の運用機関である公正取引委員会に電話などで相談した後、1本のファックスを送付するところから始まります。

公正取引委員会が調査する前であれば、次のような書式でファックスを作成し、送付します。


(図表)様式第1号の1頁目[5]

参考)
課徴金減免制度について、様式第1号記載例(公正取引委員会)
http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/genmen.files/newyosikikisairei1.pdf

その後、公正取引委員会との具体的なやり取りが始まります。

[1] 課徴金減免制度について(公正取引委員会)<http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/genmen.html>
[2] 同上
[3] 公取委 課徴金「自首すれば罪一等・・・」減免制度を拡大へ:毎日新聞(2017年3月25日)<https://mainichi.jp/articles/20170325/k00/00e/040/227000c>
[4] 井上朗(2006)「リニエンシーの実務―競争法の荒波から企業を守れ」レクシスネクシス・ジャパン、第5章リニエンシーQ&A30講 2 リニエンシーと刑事罰、pp.189-191.
[5] 課徴金減免制度について、様式第1号PDF(公正取引委員会)


2. 海外のリニエンシー制度

海外にも、日本と同様のリニエンシーがあります。米国と欧州の特徴と事例をご紹介します。

2-1. 米国の反トラスト刑事法とリニエンシー

まず、米国の反トラスト刑事法について紹介します。米国では違反した場合、法律によって次のような厳しい罰則が規定されています。

“法人に科される罰則
  – 法人の場合、法律上定められた罰金の最高額は1億ドル
  – 一方、法律上定められた罰金の最高額を超える場合、対象となっている法人だけではなく、カルテル全体によって発生した利益、または損害額の最大2倍までを罰金として支払う。
  個人に科される罰則
  – 個人の場合、罰金の最高額は100万ドル
  – 刑務所での服役期間は最大10年[6]

米国独禁法を専門とするジェニファー・M.ドリスコル・チッペンデー弁護士は、2014年にJETROが主催したセミナーにおいて、これまで日本人幹部29人が起訴されたとしたうえで、米国に駐在する日本人に対する独占禁止法のリスクについて、次のようにコメントしています。

“「日本人駐在員にとって同じく海外で生活する同業者と飲食を共にすることは問題ないと考えがちだが、捜査当局は談合の一種だと考える可能性が高い」

そのうえで、捜査令状が来た後、焦って他社とのやり取りをしたeメールや書類を破棄したり改ざんしたりすると捜査妨害として、最大で20年の懲役刑が科されるとして、競合他社とは話してはならないと警告している。“[7]

最大で懲役20年になる可能性があることは、企業のみならず、現地の社員にとっても大きなリスクです。

米国のリニエンシー制度は、1993年に導入されました。米国の場合、減免措置の対象となるのは、最初の1社のみです。しかし、第2の通報者となることについても、次のような減免措置があることが紹介されています。

“リニエンシーは1社にのみ認められるため、「第2の通報者」となる企業は起訴対象にはなるが、科される罰金は、非常に大幅に減額される。「第2の通報者」の企業幹部も起訴対象にはなるが、基礎される幹部の人数や服役期間は減免される。”[8]

そのうえで、リニエンシーを利用する効果として、企業は刑罰や罰金の支払いを回避できること、幹部個人であれば、実刑や服役、罰金の支払いを回避できることをあげています。また、民事上の損害賠償が軽減される可能性もあるとしています。

従って、罰則の厳しい米国においても、リニエンシーを利用することは独禁法コンプライアンスにおいて多くのメリットがあります。

2-2. EUのリニエンシー

欧州のリニエンシー制度は1996年に導入され、次のように、欧州委員会の権限が大きいという特徴があります。

“・重大な付加価値を提供した順位及び付加価値の程度により減免率に差がある。
  (1位:100%2位:3050%、3位:2030%、4位以下:20%まで)
  ・全額免除を受けられない場合には、当局が既に取得している証拠にたいして「重大な付加価値を与える証拠を提出する必要がある。
  ・リニエンシー獲得のためには、申請企業は通報後も引き続き欧州委員会の捜査に協力しなければならない。“[9]

欧州委員会の裁量権について、独占禁止法を専門とする亀岡悦子弁護士は次のようにコメントしています。

“・特に企業の全体の売上高が多い事業者に対して、実際の違反行為関連売上高に直接関係のない抑止効果を狙った特殊増額を使って制裁金額を引き上げる
  ・EUの場合、欧州委員会に裁量権があるため手続きがより複雑になり、その結果手続の迅速性を害するという懸念は特に表明されていない。例えば減免申請と和解制度を組み合せた手続でも、正式審理開始から1年半程度。“[10]

このコメントによると規模の大きいグローバル企業は、他の企業よりもリスクが高いことになります。また、手続きに 1年半程度かかると見込まれるため、十分な準備と体制を整えておく必要があります。

参考)
EU競争法:最近の動向と今後の展開(カルテル事件を中心に)(欧州連合日本政府代表部)
http://www.eu.emb-japan.go.jp/files/000240949.pdf

 

カルテル事件等に対する制裁金算定ガイドラインの改正(JETRO)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/05001346/05001346_001_BUP_0.pdf

[6] 米国における反トラスト法刑事取締まり:全ての日本企業、及び、営業幹部が知っておくべきこと、配布資料 P13、JETROセミナー 2014.3.10<https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/n_america/us/antitrust/pdf/seminar_20140310.pdf>
[7] 「米国 反トラスト法にご用心」、ジェトロ海外調査部北米課 安東利華、2014年6月号 ジェトロセンサー<https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001711/07001711.pdf>
[8] 米国における反トラスト法刑事取締まり:全ての日本企業、及び、営業幹部が知っておくべきこと、配布資料 P34、JETROセミナー 2014.3.10<https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/n_america/us/antitrust/pdf/seminar_20140310.pdf>
[9]
各国競争法の執行状況とコンプライアンス体制に関する報告書 2015,4,24、[参考]各国のリニエンシー制度 P32(経済産業省)<http://www.meti.go.jp/press/2015/04/20150424002/20150424002-2.pdf>
[10] EU競争法における制裁金算定実務 独占禁止法研究会EUの裁量的制裁金設定の特徴と評価(1) (2) P2-3、2016.4.22(公正取引委員会)<http://www.jftc.go.jp/soshiki/kyotsukoukai/kenkyukai/dkkenkyukai/dokkinken-3.files/3kaisiryou-3.pdf>


3. リニエンシーを見据えた独禁法コンプライアンスのポイント

独占禁止法違反を予防するためには、コンプライアンスを実行すると共に、問題の早期発見に努めることが重要です。また、事故が発生した場合には、迅速かつ適切な対応がリスクの軽減につながります。

これらを実現するためには、次の3つの取り組みが肝心です。

  1. 内部チェックシステムの構築
  2. 緊急対策マニュアルの整備
  3. 啓発教育の継続実施

1つずつみていきましょう。

3-1. 内部チェックシステムの構築

年間およそ200社が倒産!会社をつぶさないためのコンプライアンス入門」では、コンプライアンスには、会社の自浄能力が重要であることをご紹介しました。独禁法コンプライアンスについては、会社のコンプライアンスの方針を明確に示し、具体的な指針を明記したコンプライアンス・プログラム(CP: Compliance Program)が求められます。

CPに基づき、内部監査制度や内部通報制度を設け、法令を遵守すると共に、事故発生時に迅速に情報が伝わる仕組みを作ります。特に、リスクの大きいカルテル・入札談合に関しては、社員が自主的に申告すれば懲戒処分を軽減するような、社内リニエンシー制度を作ることも検討する必要があります。

3-2. 緊急対策マニュアルの整備

自社がカルテルや談合に関与したことが内部監査や社内通報制度などで発覚した場合に備えておきたいのが、緊急対策マニュアルです。これにより、リニエンシーを有効活用できる可能性が高まります。

前述の井上朗弁護士は、緊急対策マニュアルに必要な要素として、次の5つをあげています。

“  ① 事実および資料の収集方法
 ② 緊急対策の方法
 ③ 責任の所在の明確化および処分の実施
 ④ 今後の対応策の決定と実施
 ⑤ 信用失墜を回避するための事実の開示および説明“[11]

リニエンシーは、早く自主申告すればするほど、課徴金減免率が高くなる制度です。従って、問題が発生してから対応するのでは遅く、緊急時の連絡先、緊急時の対応フローなど対応策を決めて、明文化しておくことが重要です。

また、コンプライアンス体制を構築していないことを理由に、取締役が責任を追及される可能性もあります。しかし、このようにリニエンシーも想定したコンプライアンス体制を組織として構築しておけば、取締役が責務を果たしていることを示す一つの事情とすることができます 。

3-3. 啓発教育の継続実施

内部チェックシステムや緊急対策マニュアルができていたとしても、具体的に実行するためには、社員が独占禁止法について基礎知識を持つ必要があります。

なぜ、独占禁止法違反が問題であるのか、どのような場合が違法行為となるのか、もし違反した場合、企業のみならず、社員個人がどのような影響を受けるのかについて、具体的に理解する必要があります。

そのためには、継続的な啓発教育が欠かせません。独占禁止法違反のリスクを軽減し、仮に違反した場合でもリニエンシーを有効活用できるよう、経営幹部から社員まで、独占禁止法の継続的な啓発教育を行なう必要があります。

事例学習が効く!会社をつぶさないためのコンプライアンス教育」でご紹介したように、コンプライアンス教育には事例学習が大変有効です。

例えば、前述のジェニファー・M.ドリスコル・チッペンデー弁護士は、次のような米国独占禁止法の違反事例を紹介しています。

競合他社同士が何かの場で顔を合わせることは、担当する業務によっては十分ありえる状況です。このような具体的な事例を社内で共有するだけでも、社内の意識改革とリスク軽減には大いに役立つと言えるでしょう。

“事例4:
北米市場で価格競争が起こり、ここ3年間で市場シェアが激変していた。そうした中、山田氏は競合2社と会合を持った。山田氏は、会社の利益が薄くなっているうえに、主要取引先が毎年サプライヤーを変えている結果、余計な仕事や混乱が増えていると不満をもらした。

これに対し[競合他社の]山分氏は、値上げする理由はないが、競合他社が「正当な」価格を得られることは期待できるという。

「どうすれば可能でしょうか?」と山田氏は尋ねた。

「簡単なことです。」と山分氏。「ご存じの通り、私たちの競合各社のうちの1社が、それぞれ取引先を尊重すれば、市場で調和がとれ、価格操作していると非難されることもないでしょう。」競合3社は「いい考えだ。」ということで同意した。“[12]

この事例は、競合他社と会っているうえに、価格の話をしています。さらに、価格カルテルに合意しており、独占禁止法に違反しています。同弁護士は、これらの違反事例に基づいて「競合他社と話してはならない」とした上で、それでも、話す必要がある場合は次のようなアドバイスをしています。

 

“競合他社と話す必要がある場合、以下の通り細心の注意を払うこと。
 - 価格や取引先、市場シェアについて決して合意してはならない
 - 決して合意を示唆するような行為後行ってはならない
  ・決して首を縦に振ってはならない
  ・競合他社が価格変更や見積額を提案しても、決してそれを実施してはならない
 - 必ずその場から退出し、退出する理由を皆に周知させる
 - 協議に同意しないとの意向を必ず明確に示す
 - 競合他社とのやりとりについては、必ず会社の経営責任者もしくは弁護士に報告する“[13]

そして、上記の通りに行動したことの証拠を残すことも重要です。

1つの事例からこれだけ具体的な教訓が得られることを考えれば、様々な事例を題材にした学習を継続的に行っていくことの意義深さは容易に想像いただけることと思います。さらに同弁護士は、コンプライアンス研修は毎年行われるべきであり、特に経営幹部への研修が重要であるとアドバイスしています。

リニエンシーを利用していなかったことを理由として経営陣が株主代表訴訟を受け、約5億円の和解金を支払った住友電工の事例(2014年)もあります。

参考)
リニエンシー(課徴金減免)制度とは~住友電工の株主代表訴訟を受けて(企業法務ナビ)
https://www.corporate-legal.jp/%E6%B3%95%E5%8B%99%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E6%B3%95%E5%8B%99%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/1502

現場任せにせず、経営陣自身が独占禁止法違反のリスクや対応方法について学ぶことが大変重要です。

eラーニングの活用

 

eラーニングでは、独占禁止法の事例を紹介しながら、違法行為や会社への影響、対処法について学ぶことができます。具体的な教育方法については、「独占禁止法 M&A理解のための基礎知識と事例学習の方法をご紹介」でご紹介した、基礎知識をeラーニングで学び、具体的な事例を用いてケーススタディを行うブレンディッド研修が有効です。

 

以下のイメージは実際のeラーニングの一コマです。先に挙げた競合他社との談合シーンと設定が類似しています。eラーニングでも、実践性のある学習が可能であることを踏まえておくとよいでしょう。

 

 (参考)eラーニング「独占禁止法(基礎編)」2章 概要2節3項 不当な取引制限

[11] 井上朗(2006)「リニエンシーの実務―競争法の荒波から企業を守れ」レクシスネクシス・ジャパン、第4章リニエンシーと緊急対策マニュアル、P170.
[12] 米国における反トラスト法刑事取締まり:全ての日本企業、及び、営業幹部が知っておくべきこと、配布資料 P15、JETROセミナー 2014.3.10<https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/n_america/us/antitrust/pdf/seminar_20140310.pdf>
 []内は引用者注.
[13] 米国における反トラスト法刑事取締まり:全ての日本企業、及び、営業幹部が知っておくべきこと、配布資料 P11、JETROセミナー 2014.3.10<https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/n_america/us/antitrust/pdf/seminar_20140310.pdf>


4. まとめ

独占禁止法違反であるカルテル・談合は、日本のみならず、海外でも企業経営に重大な影響を与えるリスクがあり、経営問題に発展します。さらに、違反した個人が刑事罰を受けることもあるので、従業員にとっても緊急に対応しなげればならない事項です。

内部チェックシステムなどにより、違反行為を発見した場合、リニエンシーを利用して、必要な手続きに従い、公正取引委員会に自主申告すれば、課徴金が減免される可能性があります。早く申告すればするほど、減免率が高くなります。そのため、あらかじめリニエンシーに対する緊急対策マニュアルなどを準備しておく必要があります。

そして、これらの対応策を実効性のあるものにするためには、経営陣から社員に至るまで、継続的な啓発教育の実施が欠かせません。教育には、基礎知識をeラーニングで学び、具体的なケースを集合研修で学ぶブレンディッド研修が有効です。

今回ご紹介したリニエンシー制度を理解されると共に、リニエンシーを含めた独禁法コンプライアンスの継続教育に取り組んでください。

<参考文献・情報>
・井上朗(2006)「リニエンシーの実務 競争法の荒波から企業を守れ」レクシスネクシス・ジャパン
・公取委 課徴金「自首すれば罪一等・・・」減免制度を拡大へ(毎日新聞)
 https://mainichi.jp/articles/20170325/k00/00e/040/227000c
・欧州委、日欧の自動車部品5社に制裁金 カルテル関与(日本経済新聞)
 https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08I7H_Y7A300C1TJC000/
・課徴金減免制度について、様式第1号PDF(公正取引委員会)
 http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/genmen.files/newyosiki1.pdf
・課徴金減免制度について、様式第1号記載例(公正取引委員会)
 http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/genmen.files/newyosikikisairei1.pdf
・課徴金減免制度について(公正取引委員会)
 http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/genmen.html
・平成28年 課徴金減免制度の適用事業者一覧(公正取引委員会)
 http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/kouhyou/itiran28.html
・ジェトロ海外調査部北米課 安東利華「米国 反トラスト法にご用心」(ジェトロセンサー2014年6月号)
 https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001711/07001711.pdf
・米国における反トラスト法刑事取締まり:全ての日本企業、及び、営業幹部が知っておくべきこと(2014年3月10日 JETROセミナー資料 )
 https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/n_america/us/antitrust/pdf/seminar_20140310.pdf
・亀岡悦子「EU競争法:最近の動向と今後の展開(カルテル事件を中心に)」(2017年欧州連合日本政府代表部 EU競争法セミナー資料)
 http://www.eu.emb-japan.go.jp/files/000240949.pdf
・カルテル事件等に対する制裁金算定ガイドラインの改正(ユーロトレンド2007、JETRO)
 https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/05001346/05001346_001_BUP_0.pdf
・リニエンシー(課徴金減免)制度とは~住友電工の株主代表訴訟を受けて(企業法務ナビ)
 https://www.corporate-legal.jp/%E6%B3%95%E5%8B%99%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E6%B3%95%E5%8B%99%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/1502

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