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アクティブラーニングとは 未来を切り開き社会の成長を支える学習法

アクティブラーニングとは、受講者の能動的な学習を促す教育手法のことです。

講師が一方的に授業を進めるのではなく、受講者が主体性を持って知識の習得を行えるように設計されている点が特徴です。

昨今、アクティブラーニングは教育関連の記事などでよく取り上げられており、教育機関や教育関係者などの多くが注目するようになっています。もちろん、企業の人材教育での活用も可能です。

本稿ではこのアクティブラーニングについて、特徴や導入の背景、学習方法、具体事例などをご紹介します。


1. アクティブラーニングとは

アクティブラーニングとは、講師が一方的に知識や情報を提供し、受講者がこれを「受ける」のではなく、受講者が主体となって能動的に学習を進めていく授業形態のことを指します。

従来の学校教育は、教師が教室で各科目の内容を学生に教え、学生がその知識を学び理解するという進め方が主流です。つまり、与えられる知識・情報を受動的に習得する形といえるでしょう。

一方、アクティブラーニングは能動的学習といわれ、学生が主体となって、知識の習得とその実践を行っていきます。学生は単に出席すればよいのではなく、授業への「参加」を求められます。

こうした参加型の授業では、他の受講者との意見交換や教え・教えられ、といった、従来型の授業では得にくい体験が多く発生します。この「体験」が、アクティブラーニングの最大のメリットです。

「教師の説明を聞いて知識を得る」受動的学習よりも、アクティブラーニングの「教えられた知識を他者とともに考える、討議する、確かめる」のほうが、より深い理解や定着につながるわけです。

また、アクティブラーニングは、問題解決力、コミュニケーション力、コラボレーション力の養成や、自律的行動力の育成にも役立ちます。


2. 学校教育にアクティブラーニングが導入されたきっかけと背景

アクティブラーニングはまず学校教育に導入されました。ここではそのきっかけと背景を確認しましょう。

2-1. 導入のきっかけ

アクティブラーニングが注目されたきっかけは、2012年8月の中央教育審議会における答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」だといわれています。

その答申の「学士課程教育の質的転換」の項で以下のような内容が明記されているのです。

「・・・学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である」

これをきっかけに、アクティブラーニングはまず大学などの教育機関やその関係者から注目されるようになりました。さらに、その後中央教育審議会は高等学校等に関する答申の中でもアクティブラーニングに言及したため、アクティブラーニングは教育分野全般で注目されるようになっていったのです。

つまり、アクティブラーニングの普及は、主に国がその重要性を認識し、教育機関に導入を促した結果といえるでしょう。

2-2. 導入の背景

先の答申におけるアクティブラーニングへの言及は、社会の変化に対応するために大学教育の改善が必要であるとの考えから生じたものといえます。

日本社会はIT化、経済のグローバル化や少子高齢化といった変化の只中にあり、高度経済成長期やバブル期にみられたかつての活力は失われつつあります。特に経済面では、従来の高品質・高性能の製品を迅速かつ効率的に大量生産する方式だけではグローバル競争に勝てないため、技術や製品のイノベーションが求められています。

また、上記の変化に伴いビジネスはスピードと複雑さを増し、日々難しい問題が発生しています。人々は高度な問題解決力や処理能力をもってこれに対処していかなければなりません。

さらに、新しいアイデアの創出や問題解決には他者との協力・協調が重要となるため、コミュニケーション力やチームで働く力など、いわゆる「ヒューマンスキル」もますます重視される傾向にあります。

企業は、このようなビジネス環境に対応していくために充分な能力を持つ人材を確保または育成し、活用していかなければなりません。しかも労働人口は減少傾向にありますから、少数精鋭で勝ち抜けるよう、全体を底上げしていく姿勢が必要です。

その一つの手法がアクティブラーニングというわけです。


3. アクティブラーニングのメリット

他者と協力して問題を解決し、イノベーションを実現できる人材を育てるという点において、アクティブラーニングが評価されるポイントは何でしょうか。
ここでは、アクティブラーニングの具体的なメリットをご紹介します。

・知識の定着率の向上
受講者自らが主体的に授業に参加し、提供される知識について予習したり、他者と討議したりすることで理解や考えが深まり、受動的な学習形態以上の定着が実現できます。

・主体性や協働性の養成
受講者が主役の授業、受講者が作る、進める、参加する授業により、知識を獲得する主体性が生まれ、行動全般にわたる主体性の養成も可能となるはずです。また、グループでの実験や作業では協力や協調が必要になることも多く、それらを通じて協働性も養えるでしょう。

・問題発見および解決力の強化
他者との協力などを含めて物事を多面的に捉える機会を増やせば、問題を発見しそれを解決する能力も向上しやすくなります。また、自分の見解を実践に移すには他者を説得する力が必要です。課題に取り組む中で、論理的に考えて仮説を立て、検証を行い、結論を導く力が培われます。

・創造力の養成
アクティブラーニングでは、知識をより深く理解しどう使えるかまで学ぶ機会も少なくないため創造力の養成に役立つでしょう。知識の使い方を考えることで、新たな知識の創造に繋がることもありイノベーションの創出も促進されます。

このように、アクティブラーニングには、学んだ知識を実践に活用し、他者との相互作用の中で新しい価値を生み出していく、そのために必要となるスキルの学習機会がたくさん含まれているのです。


4. アクティブラーニングのデメリット

アクティブラーニングのデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

・時間がかかる
受講者のグループワークを中心に進めるため、時間がかかるというデメリットがあります。導入の際には、アクティブラーニングを行う科目を厳選する必要があるでしょう。SNSなど、ITを活用するといった工夫も可能です。

・講師に従来と異なる能力が求められる
アクティブラーニングの講師には、もちろんその分野の専門知識も必要ですが、それに加えて、コーチングやファシリテーションの技術が求められます。こうした能力を備えた講師を探すか、トレーナーズトレーニングなどを行い、事前に講師の能力開発を行う必要があるでしょう。

・モチベーションの低い受講者への対応
アクティブラーニングは受講者の「参加」を前提としていますので、そもそも性質的にそのやり方と相容れない受講者がいる場合、ドロップアウトしてしまう前に、何らかのフォローが必要です。

このように、アクティブラーニングのデメリットは主に運営側に関するものが多いと言えるでしょう。事前にしっかりと計画を立て、準備を行うことが必要です。


5. アクティブラーニングの実践方法とその具体例

ここではアクティブラーニングの実践方法や具体的な事例をご紹介します。

5-1. 実践方法

アクティブラーニングでは、グループによる討議、共同作業・研究、ディベート、体験学習といったプログラムが主に活用されています。講師は中立のファシリテーター(進行役)として、受講者による議論や作業が進むように調整する役割を担います。知識や情報を提供するよりも、受講者が自ら考え、互いに協力して結論を導けるようサポートすることが重要になるのです。

受講者の側には、授業に積極的に参加する・意見を述べる、そのために充分な予習を行う、他者と協力しあう、問題を解決するための努力をする、などの姿勢が求められます。

5-2. 事例

①埼玉県の県立高校
県内の高校では、「知識構成型ジグソー法による協調学習の授業づくりを中心とするアクティブラーニング」の導入が進められています。授業手順の例は次のとおりです。

・知識を教師が提供して学生がそれについて考える
・学生は3つのグループ分けられ、各々違った論点を各グループで討議するというエキスパート活動をする
・その後、グループのメンバーを変えて同様のエキスパート活動をする
・授業の最後のほうでグループの代表が議論の内容を発表する
・最後に各学生がもう一度考えをまとめる

このような学習方法により、コミュニケーション力、問題解決力、情報応用力などが養われています。

参考)埼玉県HP 「『学びの改革』の推進」
http://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/manabikaikaku.html

②産業能率大学
同大学ではアクティブラーニングによる授業が積極的に取り入れられています。学生同士の意見交換が重視され、ディスカッションやグループワークによる授業が多くなっているのが特徴です。また、知識を得るだけでなく実際に利用することを目的とした実践的な授業も組み合わされています。授業では教師はファシリテーター役で学生が主体となるように運営されています。

こうした方法により、受講者の授業への主体的な参加・取り組み、知識のより深い理解と実践的活用が期待できるのです。

参考)産業能率大学HP「アクティブラーニングとは」
http://www.sanno.ac.jp/exam/learn/active/info.html


6. まとめ

アクティブラーニングとは、受講者が主体となり、能動的に学習を進めていく授業形態のことを指します。

アクティブラーニングの普及のきっかけは学校教育への導入です。最初は大学教育、次に高等教育向けに提唱され、徐々に普及が始まりました。

具体的なメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

・知識の定着率の向上
・主体性や協働性の養成
・問題発見および解決力の強化
・創造力の養成

一方、デメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

・時間がかかる
・講師に従来と異なる能力が求められる
・モチベーションの低い受講者への対応

アクティブラーニングの実践においては、グループによる討議、共同作業・研究、ディベート、体験学習といったプログラムが主に活用されています。

講師は「知識・情報の提供者」ではなく「ファシリテーター(進行役)」となって、グループワークが円滑に行われ、結論を導けるよう、サポートを行います。

アクティブラーニングには、学んだ知識を実践に活用し、他者との相互作用の中で新しい価値を生み出していくために必要となるスキルの学習機会がたくさん含まれています。

これを機にぜひ導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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